国土交通省は27の地方空港について、訪日誘客の取り組み拡大に向けた総合的な支援措置を行なう。このほど行なった、「訪日誘客支援空港」の認定に基づくもので、国際線の新規就航や増便の拡大や受入環境の整備などに係る経費などを支援する。
国交省では、2017年2月に開催した「訪日誘客支援の認定等に関する懇談会」で認定基準などを作成。空港によって誘客実績等が異なる実情にあわせ、「拡大支援型」「継続支援型」「育成支援型」の3つのカテゴリーに区分した。対象空港は最下段に記載。
このうち、新規就航・増便の支援は、拡大支援型で実施。国管理空港の国際線着陸料は割引率2分の1以上、コンセッション/地方管理空港の国際線着陸料は3分の1の補助、新規就航等の経費支援では、チケットカウンターの設置や使用料、地上支援業務などの経費を3分の1の補助を行なう。いずれも最大3年間とする。
受入環境の整備では、旅客の受入環境高度化に係る経費の3分の1の補助を実施。ボーディングブリッジや交通アクセス施設など、出入国容量拡大に資する施設整備に対するもので、これは拡大支援型を優先に3カテゴリーすべてを対象とする。また、CIQ施設(税関、入国管理、検疫)の整備では、拡大支援型に対し2分の1の補助を行なう。
一方、継続支援型・育成支援型では、国管理空港の国際線着陸料割引は現行のインバウンド割を活用。育成支援型に対しては、Wi-Fi整備や多言語化、海外PR、CIQ体制の充実などで航空局や観光庁、JNTOによる伴走支援があてられる。
なお、「明日の日本を支える観光ビジョン」では、地方部での外国人宿泊者数を2020年に7000万人泊(2015年の約3倍弱)、2030年に1.3億人泊(同約5倍超)とする目標も掲げられている。しかし、空港別で見た外国人受入れの現状は、主要7空港(成田、関空、羽田、福岡、那覇、中部、新千歳)以外の地方空港では約109万人、全体の5%に留まっている。
【訪日誘客支援空港の認定】
- 訪日誘客支援空港(拡大支援型) 計19空港
- 静岡、仙台、熊本、茨城、北海道(稚内、釧路、函館、女満別、帯広、旭川)、高松、広島、北九州、米子、佐賀、新潟、小松、青森、徳島、鹿児島、南紀白浜、岡山、山口宇部、松山 ※バンドリング予定の北海道6空港は1空港でカウント
- 訪日誘客支援空港(継続支援型) 計6空港
- 長崎、那覇、大分、宮崎、花巻、福島
- 訪日誘客支援空港(育成支援型) 計2空港
- 松本、下地島