大分県別府市は、観光「まち」づくりから観光「ひと」づくりへの実践に向け、翻訳デバイスili(イリー)を手掛けるログバー社とプロジェクト「TOMODACHI-CITY」を開始する。
別府市では訪日外国人旅行者数が2015年度に前年比30%増の43万人と大幅に増加している。この状況に対し別府市では、観光を軸とするまちづくりでは必ず言語の問題が起こるとし、テクノロジーで解決を図る。訪日外国人旅行者との相互交流をテーマに、地域の新しい価値を創り出し、地域の魅力を伝えられる街を目指すという取り組みだ。
具体的には、観光事業者だけでなく、訪日外国人もイリーを手にし、相互コミュニケーションが図れる街づくりを推進。外国人旅行者との交流を重要な価値として、地元住民も積極的にコミュニケーションがとれるようにし、別府市の魅力を創る主役とする。対応言語は英語と中国語、韓国語(9月から順次対応)で、市内を訪れる90%以上の外国人をカバーできるという。
これにあわせ、別府市内でイリーの導入場所を示すマップを作成し、別府駅や市内の観光案内所で配布する予定。飲食店や宿泊施設には「英語OK」などを示すマークを掲示し、交流を作り出しやすくする工夫をする。
さらに、別府市で使用するイリーにはオリジナルのケースを用意して一体感を醸成。「地獄めぐり」など、地元で使用する固有名詞を随時追加し、別府市用の独自の辞書を構築する。このほか、日々の会話データも収集し、外国人旅行者の要望を可視化して、観光地に対応した会話データを活用していく。
なお、今回のプロジェクト開始にあわせ、コンセプトムービーも制作している。