外務省、来年度予算の柱に「テロの脅威への対応能力強化」、次世代パスポートの開発準備も

外務省はこのほど、2018年度予算概算要求の内訳を発表した。2018年度の要求額合計は7675億円(うちODAが4897億円)。2017年度当初予算(合計6926億円)と比較して、749億円の増額となった。

その中で、一つの柱に据えた項目が「テロ等の脅威から在外邦人や国内を守る」。予算額は285億円(48億円増)(うちODA 163億円)を要求した。英国やフランス、フィリピンなど、日本人が多数滞在する国でのテロ事案も踏まえて対応能力向上を目指すほか、自然災害や感染症、緊迫する国際情勢なども背景に、在外邦人や国内の安全確保を目的とするもの。(1)安全対策・危機管理強化、(2)情報収集能力・分析機能強化、(3)サイバーセキュリティ・情報防護、(4)査証・旅券のセキュリティ強化、(5)テロ対策・治安能力構築支援、の5項目で構成した。

例えば安全対策・危機管理面では、海外在留邦人や日本人渡航者の被害発生予防に向けた情報発信や啓発、そのための情報システムなどの体制を整備。緊急事態に備え、安否確認や退避準備、緊急時の備蓄品確保や業務継続のためのバックアップ体制強化なども進める。

また、査証・旅券のセキュリティ強化では、次世代査証(ビザ)発給、渡航認証管理システムを推進。2019年の発行が予定される高度な偽造・変造対策を施した次期旅券(パスポート)の発行準備や、さらなる次世代旅券の開発準備も進める計画としている。

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