米国ハリケーン来襲で航空便キャンセルが9000便超えに、マイアミ空港の再開は9月12日(現地)の見込み

(提供:AP通信)

AP通信によると、ハリケーン「イルマ」の影響で、米フロリダ州の各空港は週明けた9月11日(現地時間)も閉鎖。午後の時点で、月曜日のフライト・キャンセルは4200便を超え、土曜日からの累計では9000便以上となる見通しだ(フライト・アウェアFlightAware社調べ)。

イルマはすでにハリケーンから熱帯暴風雨(トロピカル・ストーム)へと勢力を弱めており、今後の被害については、当初の想定を下回る見通し。

フロリダ州各地にネットワークを展開するアメリカン航空では、現地時間11日からのマイアミ便運航再開を検討していたが、これを翌12日まで延期した。同社のロス・フェインステイン報道官によれば、米連邦航空局からの認可を待っているほか、セキュリティ検査官や空港内で働く業者などが、通常通り勤務できるかどうかの確認を行っている状況。

マイアミ国際空港のターミナルビルでは、水による被害が大きく、ゲート付近では、天井のタイルがあちこちで崩落。現在、清掃作業が行われている。

マイアミ近郊のフォートローダーデール・ハリウッド国際空港では、ターミナルの屋根の一部が欠損したほか、従業員用の駐車場に樹木が倒れた。しかし全般的に大きな被害はなく、滑走路上の水は引いている。同空港当局によると、航空各社は現地時間の9月11日中にフォートローダーデールまで空の機材を飛ばし、翌12日朝から、出発便の運航を再開する見込みだ。

航空ネットワークの混乱は、フロリダ州外にも及んでいる。デルタ航空は11日に900便をキャンセル。同社のハブ空港の一つ、アトランタでの強風などが影響した。サウスウエスト航空も、同日午後からアトランタ便をすべてキャンセル。アメリカン航空はノースカロライナ州シャーロットでも、強風により300便をキャンセルした。

貨物便を運航するユナイテッド・パーセル・サービスやフェデックスも、マイアミへの便を欠航。両社ともマイアミには大規模な物流拠点を置いているが、現地の従業員の多くが避難中という事情も重なり、通常通りの配送体制が整う時期は不明だ。

とはいえ、マイアミをはじめフロリダの各空港が12日にはオペレーションを再開する見通しとなるなか、アメリカン、スピリット航空、ジェットブルーなど、フロリダやカリブ路線の比重が大きい航空各社の被害は予想を下回る見通しだ。ユナイテッド航空が先月、テキサス州でハリケーン・ハービー来襲により受けた被害総額は1億5000万ドル規模となったが、ここまでには達しないとの見方だという。

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