出張・ビジネス旅行市場が縮小傾向、30年間で15%減の見込み、出張者は旅費・日程に不満 -DBJ調査

日本政策投資銀行(DBJ)と日本経済研究所(JERI)は、共同の調査レポート「出張マーケットに関する動向と今後~出張のツーリズム業界におけるインパクト~」を発行した。観光旅行に比べて特化した研究が少ない出張旅行について、各種統計情報をもとにした調査や、出張旅行をする企業へのアンケート調査をもとに、現状と今後の動向を考察したもの。

このなかで出張マーケットの将来市場規模について、観光庁の「旅行・観光消費動向調査」の年齢ごとの消費額と、国立社会保障・人口問題研究所の「将来推計人口」に基づく掛け率を乗じ、推計。出張の市場規模は2015年の3兆2922億円から、2020年には3兆1861億円、2025年には3兆44億円と右肩下がりに減少し、2030年には2兆7821億円となる予測を発表した。2015年からの15年間で、市場規模が15%縮小する見込みだ。

内訳を見ると、全般的に減少傾向にあるが、特にパック・団体参加費の減少幅が大きく、15年間で22%減の2083億円に。次いで宿泊費も19%減の3331億円に縮小する見通しだ。一方、最大ボリュームの移動関連市場は13%減の1兆4527億円。縮小幅が小さいものの、金額では2175億円の減少で、同レポートでは現状から1割以上の減少は少なくないインパクトだと指摘している。

なお、ウェブアンケートの自由回答では、出張旅行者が旅費の不足や日程に対して、不満を感じていることが明らかに。将来の方向性としてもコスト削減を感じ取っている回答が多かったという。

日本政策投資銀行と日本経済研究所の発表資料より日本政策投資銀行と日本経済研究所の発表資料より

詳細レポートは以下から参照できる。

日本政策投資銀行

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