中国銀聯は、銀聯カードの利用実績などを踏まえた2018年春節の海外旅行報告書をまとめ、同期間中における中国人観光客のトレンドと特徴を発表した。
これによると、海外での消費金額から割り出した期間中の海外旅行先トップ5は、香港、日本、タイ、シンガポール、台湾で、日本は上位5位にランクイン。旅行形態は体験型旅行と個人旅行が広がり、特に海外旅行では飲食と娯楽にかける金額が増加した。
なかでも日本のグルメ体験は人気で、日本での飲食費が急増。中国人観光客の出発地が地方や中小都市であるほどその増加率が高く、珠海市や貴陽市など比較的発達した中小都市などの「三線都市」などでは、前年比93.4%増の伸びとなった。
また、日本国内での目的地も多様化。地方の交通機関系加盟店での銀聯カードの取扱高が増加しており、東京や大阪の主要都市のほか、地方への個人旅行が増得ていると指摘する。特に、「君の名は。」など映画の聖地巡礼などで人気の岐阜県高山市では、高山濃飛バスセンターでの取扱高が、空港などのリムジンバスの取扱高を上回ったという。
このほか、中国人観光客のモバイル決済も増加しており、春節期間中のMobile QuickPassとQRコード決済の海外取扱高は、前年比約150%増。取引件数も約2倍に増加した。日本では東急プラザ銀座店内の全店舗で、日本初上陸のMobile QuickPassサービスを開始している。
なお、銀聯カードは中国人観光客以外の海外旅行者が日本で利用するケースも増加。中国大陸以外で発行された銀聯カードの発行数が9000万枚に達しており、春節期間中、日本と中国大陸を除く海外発行の銀聯カードによる日本での取扱高は、前年比2倍に増加した。日本国内の取扱店舗は67万店におよび、ATMは半数以上にあたる全国7万か所で利用できることが要因だという。