経産省、割り勘制の相乗りアプリは「白タク行為」ではない、グレーゾーン解消制度の位置づけ定まる

ZERO TO ONEが運営する相乗りアプリ「ノリーナ(nori-na)」は、同社の「割り勘制度」を使った相乗りサービスに対して回答を得た。国土交通省と経済産業省が道路運送法第2条第3項に規定する「旅客自動車運送事業」に該当しないというもの。同日、経済産業省もこの回答を公表。これにより、同事業はいわゆる「白タク行為」にあたらず、タクシー事業の許可や登録も不要となることが明らかになった。

「ノリーナ」は、イベント会場に出かけるドライバーと同上を希望するユーザーのマッチングをおこなうサービス。料金はガソリン代や道路通行料は同乗者全員での「割り勘」扱いとなっている。

同社は今回、産業競争力強化法の「グレーゾーン解消制度」を活用して、事業の位置づけについて、経済産業省を通じて国土交通省に照会した。

経済産業省の回答は「ドライバーへ支払われる同乗者一人当たりのガソリン代及び道路通行料の負担額は、当該運送のために生じるガソリン代及び道路通行料をドライバー及び同乗者の合計人数で除した金額であり、特定費用の範囲内の金銭の収受であることから、ドライバーの行為は道路運送法第2条第3項に規定する旅客自動車運送事業に該当せず、同法上の許可又は登録を要しない」。

また、「サービス提供事業者の行為は、自動車を使用して旅客を運送する行為ではないことから、同項に規定する旅客自動車運送事業に該当せず、同法上の許可又は登録を要しない」というもの。マッチング事業者の行為は、自動車を使用して旅客を運送する行為ではないと結論づけている。

ただし、経産省では、当事者が同サービスが道路運送法上の規制対象外で法律上の輸送安全や利用者保護の措置が担保されていないことを事業者側が周知することが望ましいとしている。具体的には、事故が起きた際の責任所在や保険加入の有無・補償内容。ウェブサイトまたは適切な方法で明確に周知することを求めた。

同社ではこの結果を受け、同アプリを通じた事業をさらに強化する方針。今後は、人工知能を活用したマッチングの実現も加速し、利便性の高い合う相乗り相手をマッチングするサービスを展開するとしている。

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