ホテルズドットコム(Hotels.com)は、中国在住の海外旅行経験者(直近12か月)を対象にしたインタビュー調査「Chinese International Travel Monitor(CITM)」の結果を発表した。
このなかで、日本を訪れた中国人旅行者は全体の39%で、香港を抜いて1位(39%)に。歓迎されたと感じた国でもタイを抜いて1位(20%)となった。特にミレニアル世代は東京や大阪、京都の主要都市だけでなく、現代美術館や映画のロケ地、野外音楽フェスティバルなどを目的に地方への訪問が増加。アニメ映画「君の名は。」の舞台となった飛騨高山は、特に人気がある。
また、ミレニアル世代は旅行消費が昨年から80%増加。最先端のトレンド体験やテクノロジーを活用した宿泊施設、地域ならではの地元の食事やユニークな体験を楽しんでいる。
例えば、星付きの高級ホテルよりも、地元のテイストを打ち出した独立系ホテルを選択するのは55%、ブティックホテルは33%、最先端テクノロジーのホテルは21%が予約をした。また、現地での体験では、地域の特産料理を経験した人は69%と7割に及び、現地でしか手に入らないアイテムを求めて街を探し回る(43%)人は、高級品を買う(38%)人よりも増えている。
ミレニアル世代に日本への旅行を触発し、消費を促すのは何か。同調査によると、まずはSNSによる拡散。日本は中国人旅行者が、最も多くの写真や動画をSNSでシェアする旅行先(17%)になっており、特にWeChat(ウィーチャット)やWeibo(ウェイボー)などは日本での旅行やショッピングで多く活用されているという。
さらに、日本の「おもてなし」精神も、中国人旅行者を日本に呼び込むきっかけになっているという。ソフト面に加え、テクノロジーや中国語表記の普及、バイリンガルスタッフの増加、さらにはAlipay(アリペイ)やWeChat Pay(ウィーチャットペイ)など、中国で日常的に使用する電子決済の導入なども、日本の人気や消費額の増加の要因だと見ている。
ただし同調査では、こうしたテクノロジーによるサービス分野については、まだ改善の余地があるとも指摘。上記のモバイル決済の更なる普及をはじめ、中国人旅行者の3分の1は「予約方法はあまり満足のいくものではなかった」とし、現地での交通手配時には「中国語を話すことができるガイドやスタッフの配備の充実」を改善点としてあげているという。