日本政府観光局、災害後の観光地に海外メディアら視察ツアー、今年も大型インバウンド商談会開催へ

日本政府観光局(JNTO)は2018年9月21日から開催するインバウンド商談会「VISIT JAPAN トラベル&MICEマート2018」(VJTM2018)について、最新情報を発表した。「ツーリズムEXPOジャパン2018」との同時開催で行なわれるもので、9月20日~22日の商談会と9月23日~25日、26日のファムトリップ(視察旅行)で構成する。

今年の商談会には国内のインバウンド関連のセラーが約570社・団体が参加。このうち約30社がMICE専門社で、世界32か国地域のバイヤー360社(うち、20社がメディア)を迎える。今年は参加者の要望を受け、事前アポイント制の商談のみならず、自由商談を前年の約2倍となる計5時間に大幅に拡大。また、交流会場のスペースも前年の1.8倍の広さとし、ネットワーキングの環境を重視した会場を提供する。

ファムトリップは北海道から沖縄まで、一般観光で9コース、MICEで4コース、メディアで1コースを用意。方面によって異なるが、自然や歴史、文化をベースに、最新スポットやグルメ、酒蔵視察、ショッピング、アウトドアなどのテーマを組み込んだ。また、今年は新たに、東京視察も5コース設定。9月22日の商談会終了後の半日コースで、ホテル視察やグルメ、歴史・文化などのほか、ナイトスポット巡りなども企画した。

このほか、商談会の2日目の昼休みを利用し、バイヤーにツーリズムEXPOに出展する各地のブースを巡るガイディングツアーも5コース実施する。

災害後の観光地状況、海外メディア向け説明会やブースガイドで案内

今年は6月に大阪北部地震、7月に西日本を中心とする豪雨、先ごろは台風21号や、発表を行なった9月6日の未明には北海道で最大震度7の大地震が発生するなど、観光需要に大きな影響を与える災害が発生している。

これを踏まえ、開催概要の説明に立ったJNTO企画総室次長(全体統括)の鄭然凡氏は、JNTOが災害時に「正確な情報発信の窓口たるべし」の精神で情報発信に取り組んでいることを説明。現在は同社ホームページ上で、上記災害に関し、訪日観光客向けの情報発信をしていることを話した。

JNTO企画総室次長(全体統括)の鄭然凡氏。手にしているのは、JNTOサイト上の災害情報のページ

VJTMでも9月20日の海外メディア向け記者説明会のなかで、各地の現在の状況について正確に伝えていくほか、昼休み時に行なうツーリズムEXPOのブース巡りでは、被災エリアを含む西日本コースも設定。ファムトリップでも大阪や京都、中国、四国等の方面で被災地域を訪れるコースを用意した。「実際に見てもらい、観光に支障がないことを実感してもらいたい」(鄭氏)のが目的だ。

特に、メディア向けコースでは北海道の札幌・函館・青森を訪れ、北海道新幹線を視察する内容が含まれている。これについても、現時点では予定通り実施し、災害発生後の観光地の対応を見てもらう考えだとしている。

なお、JNTOでは8月3日に閣議決定した西日本豪雨の復興を目指す支援パッケージで、海外プロモーションを目的に5億円の予算を割り当てられた。これを活用し、現地の復興と正常な訪日4000万人の継続的発展に向け、情報発信を基本に事業を展開。例えばJNTOのSNSで、該当地域のプロモーションを優先的に配信するなどしているという。

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