観光庁が発表した主要旅行業者49社の旅行取扱状況速報によると、2018年7月の総取扱額は前年比0.2%増の4410億3790万円。そのうち、海外旅行は6.3%増の1818億6764万円、外国人旅行は15.3%増の179億2866万円、国内旅行は4.8%減の2412億4160万円だった。
前月・6月分の発表から、楽天が「楽天トラベル」の実績開示を取りやめており、統計の対象となる業者数が1社減少した内容となっている。
分野別・上位5社の直近12ヶ月の推移
海外旅行の取扱額上位5社・直近12ヵ月推移比較グラフは以下のとおり。2018年7月は上位5社(JTBグループ12社、H.I.S.グループ6社、阪急交通社グループ3社、KNT-CTグループ13社、日本旅行)のうち、HISが前年比18.6%増、阪急交通社が12.2%増と1割増以上を記録している。
外国人による訪日旅行の旅行会社別取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。7月は上位5社(JTBグループ12社、H.I.S.グループ6社、日本旅行、KNT-CTグループ13社、東武トップツアーズ)のうち、HISが前年比約5割増と大きな伸びを記録した。
※編集部注:過去1年で5位圏内だった楽天は6月以降の数値を公表していないため、グラフでは5月までの推移を示した。
国内旅行の旅行会社別取扱額上位5社・直近12か月推移は以下のとおり。7月の上位5社は、JTBグループ12社、KNT-CTグループ13社、日本旅行、ANAセールス、JALパック。JALパックは他4社がマイナス推移となるなか1割増を維持し、阪急交通社を抜いて5位圏内に初ランクインとなった。
※編集部注:グラフには、過去1年に5位以内となった企業を含めている。楽天は6月以降の数値を公表していないため、5月までの推移を示した。
旅行商品ブランド全体の取り扱い状況
2018年7月の旅行商品ブランド(募集型企画旅行)は、総取扱額が前年比7.0%減の1888億2932万円、取扱人数合計は11.0%減の297万3652人。海外旅行は取扱額が3.5%減の358億6982万円、取扱人数が0.8%増の14万7991人。外国人旅行は取扱額が5.0%減の5億5984万円、取扱人数は0.8%増の4万6384人。国内旅行は取扱額が7.8%減の1523億9966万円、取扱人数が11.1%減の277万9277人。外国人旅行の取扱人数は増加傾向を示したものの、金額は減少しており単価の低下がうかがい知れる結果に。国内・海外は前月に続き、取扱額・人数ともに前年比減で推移している。
方面別の全体傾向
旅行会社へのヒアリングによれば、海外旅行は前月同様に特に韓国の取り扱いが好調。外国人旅行の取り扱い額は、おもに欧米豪を中心に個人旅行が好調だった。国内旅行は7月の西日本豪雨の影響で、中国・四国方面で募集型企画旅行のキャンセルが多発。人数・取扱額ともに前年より減少している。
※2018年4月より、同統計の対象となるJTBグループは集計値を25社合計から12社合計に変更。KNT-CTホールディングスは11社合計から13社計に変更。エボラブルアジア(エアトリ=旧DeNAトラベル含む4社計)とビッグホリデーが新たに追加された。2018年6月から楽天の数値が非公表となり、5月までよりも1社少ない49社が調査対象となっている。なお、「外国人旅行」は日本の旅行会社によるインバウンド旅行を指している。