2019年の訪日客は3500万人超の予測、GW10連休で日本人の海外旅行は過去最高の1900万人超に -JTB推計

JTBが発表した「2019年の旅行動向見通し」によると、2019年の旅行市場は好況が期待できそうだ。

来年の訪日外国人旅行者数は前年比12.3%増の3550万人で、2ケタ増の推移を維持。日本人旅行市場も国内旅行、海外旅行ともプラス推移の予測で、特に海外旅行は1.1%増の1910万人となり、史上初の1900万人台となる見通しだ。旅行消費額(日本人の国内旅行、海外旅行)も2.8%増の15兆2600億円となり、平均旅行回数も0.03回増の2.49回と増加する予測をしている。

JTBの2019年の旅行動向見通しは以下の通り。

海外旅行はGWの10連休と若者の意欲が後押し

日本人の海外旅行は、2018年1月~11月も5.5%増の1732万人と好調で、2018年の着地は5.6%増の1890万人の過去最高になる見通し。今年8月の燃油サーチャージの引上げ後も旅行者数の影響はほとんど見られなかった。さらに2019年はゴールデンウィークが10連休になることも需要を押し上げる要素となり、すでに販売が始まっている旅行各社の中には、欧州などの遠距離距離方面では前年比2~5倍の予約となる会社もあるという。

ただしJTBでは、日本人の海外旅行市場について、少子高齢化によるシニア層の国内旅行のシフトと旺盛な訪日旅行の需要増のバランスから、市場は必ずしも拡大しているとは言えないとしている。

国内旅行は景況感の良さと祝日の増加でプラス予想

日本人の国内旅行では、旅行人数は1.5%増の2億9090万人を予想。景況観の良さと祝日数の増加で、旅行人数の増加を予想した。2019年10月に控える消費増税への影響と、JTBが実施したアンケート調査で旅行支出意欲の増加が見られたことを踏まえ、平均消費額も2.0%増の3万6600円に増加すると推計。消費増税については、前回の増税時(2014年4月)は、増税の2か月後から影響が始まったとし、今回の増税は10月からのため、2019年内には大きく影響しないと見ている。

また、上記アンケートでは国内旅行の回数意向で、「回数は増える」と回答した15~19歳の年代層が他の年代よりも6~10ポイントも上回ったことから、経済環境の良さや休日の増加が若い世代が旅行をする後押しになっていると見る。このほか、テーマパークの新規開業や人気の既存施設での新規アトラクションの開業、2020年に向けた多様な宿泊施設の登場なども、国内旅行意欲を押し上げる要素になると見ている。

訪日旅行は東南アジアや欧米客が増加

訪日旅行は2ケタ増の推移が持続するも、訪日旅行者数の主要市場である中国、韓国、台湾、香港についてはすでに成熟市場になったとし、伸び率もやや鈍化すると予測。ただし、欧米や東南アジアの旅行者は引き続き増加すると見る。2018年の動向では、リピーターの増加やLCC路線の充実で、地方空港から直接、地方を旅行する旅行者が増加。2019年は会期の長いラグビーワールドカップが日本各地で開催されることから、各地の開催地を訪れる外国人旅行者の増加とその周辺観光を通じた地域経済への波及効果も期待されるという。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…