アジア拠点のクルーズ会社「ゲンティン」、乗客定員で世界最多9500人の客船就航を発表、音声・顔認証などデジタル技術搭載も

ゲンティン・クルーズラインは今後、保有客船を拡充し、グローバル展開を本格化する。先ごろ、創業25周年にあわせ、旅行会社やメディアを招いて開催した感謝イベントで、今後の事業展開に言及した。

ゲンティン・クルーズラインは、レジャー、エンターテイメントを展開するゲンティン香港のクルーズ事業。現在、創業時から運航するカジュアルクラスの「スタークルーズ」のほか、2015年に取得したラグジュアリークラスの「クリスタルクルーズ」、2016年に立ち上げたプレミアムクラスの「ドリームクルーズ」の3つのクルーズラインで計8隻の客船を洋上で運航するアジア拠点のクルーズ会社だ。日本でも、気軽に行きやすいアジアクルーズの運航会社としてはもちろん、近年はインバウンド客を送客する訪日クルーズでも注目されている。

同社は今後、3つのブランドの特性を活かしながら、規模を拡大。なかでもドリームクルーズではスタークルーズの客船「スーパースター・ヴァーゴ」を50億円投じた大改装で「ドリーム・エクスプローラー」(乗客定員2000人)にリブランドし、2019年秋からシドニー発着のオセアニアクルーズを開始する。これを皮切りに、運航海域をアジアから地中海やカリブ海、世界一周など、グローバルへと広げていく方針。

さらに2021年には、20万トン級の大型客船を就航。1室2人利用時の乗客定員は5000人だが、4人利用可能な客室を多く設定し、最大乗客定員では世界最大の9500人とする(現在の世界最大客船は約22万トン級、最大乗客定員約6600人)。船内にはテーマパークやシネプレックス、エスカレーターなどの設置や、音声・顔認識など最先端のデジタル技術を搭載し、新たなクルーズ体験の提供にも力を入れる。

来日したドリームクルーズ社長のブラウン氏(左)、ゲンティン・クルーズラインのインターナショナルセールス上級副社長のゴー氏(右)

クリスタルクルーズでは2020年に、探検船の「クリスタル・エンデバー」(2万トン、乗客定員200人)を就航。処女航海の就航地を東京発とし、日本を巡る17泊のクルーズを2本と、台湾への片道16泊のクルーズを運航する。2022年には6万7000トンクラスの新造船も就航する予定だ。

このほか、スタークルーズでも2023年に、新造船の就航を予定。スタークルーズはアジアに根差したクルーズを展開する。

同イベントで説明した日本オフィス代表の山本有助氏は、客船の拡大にあわせて日本での販売も増加させることを説明。「クリスタルクルーズのお客様に、ドリームクルーズのパレス(執事付きオールインクルーシブサービスの客室クラス)を、パレス利用のお客様にクリスタルクルーズをお勧めすることもできる」とも語り、ブランドを超えた顧客の回遊も促進していく考えを示した。

なお、感謝のイベントにあわせ、香港からドリームクルーズ社長のサッチャー・ブラウン氏が、シンガポールからゲンティン・クルーズラインのインターナショナルセールス上級副社長のマイケル・ゴー氏が来日。旅行会社やメディア約70名が参加した。

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