JTBは2019年夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向を発表した。それによると、同期間に1泊以上の旅行をする総旅行人数は前年比0.1%減の7734万人となる見通し。国内旅行は0.2%減の7435万人、海外旅行は3.5%増の299万人との推計になった。
夏休み期間に関するアンケートでは、「昨年の夏と休みの長さは変わらない」との回答が前年比0.8ポイント減の35.1%、「昨年の夏より長い休みが取れると思う」との回答が1.7ポイント増の13.1%だった。海外旅行に積極的な人が多い一方で、景気先行きの不透明感や消費増税への備えなどから国内旅行は微減と推計された。
総旅行消費額は4.9%増の3兆3723億円、平均単価上昇で海外旅行消費は1割増に
交通費、宿泊費、土産代、食事などを含む夏休みの旅行平均費用の見込みは、国内が4.0%増の3万6200円、海外が6.2%増の22万7700円(海外旅行先での現地支払い土産代などは除く)。これによる総旅行消費額は、国内が3.8%増の2兆6915億円、海外が9.8%増の6808億円、全体では4.9%増の3兆3723億円。国内旅行人数は前年より減少するものの平均費用の上昇で消費額は拡大。海外旅行も昨年よりさらに拡大し、前年比約1割増の伸びとなった。
同社が実施した今後の旅行支出に関する意向調査では、「支出を増やしたい」が1.5ポイント減の10.8%、「支出を減らしたい」が4.0ポイント増の40.7%。
収入については「昨年より収入が減った」(21.1%)が2.3ポイント増、「収入が増えた」(19.6%)は前年より1.1ポイント減。性年齢別では男性20~30代と女性20代は「収入が増えた」、「ボーナスが増えた」がそれぞれ「減った」を上回っていることから若い世代の所得状況は比較的よいと予測している。
海外旅行の動向 ―出発ピークは8月10日、ハワイや英国が好調
航空会社の予約状況や業界動向から推計すると、海外旅行の出発日のピークは山の日付近の8月10日。一方、ハワイやグアム・サイパンでは、旅行代金が低下する8月下旬の出発もみられる。JTBの予約状況で人気の旅行先はハワイ、グアム・サイパン、韓国、台湾、シンガポールの順。予約の伸び率では、ハワイのほか関空/ロンドン路線が就航した英国が好調という。
方面別の海外旅行推計値は以下のとおり。
国内旅行の動向 ―家族旅行で沖縄が人気、関東は減少傾向も
予約状況によれば、国内旅行の出発日ピークは8月11日と12日。人気の旅行先の1位は沖縄で、北海道、関西(USJ含む)、東京(TDR含む)、九州と続く。今年は令和ゆかりの三重県・伊勢への旅行も好調なほか、「花火大会」「動物園や水族館」など、若者や家族が訪問しやすい場所が人気という。
アンケートによれば、宿泊施設では、ホテルが2.8ポイント増の48.8%でほぼ半数を占め、「旅館」が28.6%、実家・知人宅が25.9%。
一人当たりの国内旅行費用では、「1万円~2万円未満」が21.8%と最も多く、昨年の最多帯「2万円以上3万円未満」(20.1%)を超えた。旅行日数では、「1泊2日」が1.8ポイント増の36.6%、次いで「2泊3日」が3.8ポイント減の30.8%。
方面別の国内旅行人数推計値は以下のとおり。
この調査は、JTBグループの販売状況と航空会社の予約状況、業界動向、経済動向、1030人(事前調査2万人)を対象とするアンケートから推計したもの。アンケートは6月21日~23日、インターネット経由で実施した。