欧州復興開発銀行(EBRD)と国連世界観光機関(UNWTO)は、国連が定めた持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、共同で取り組み進めることで合意した。EBRDのスマ・チャクラバルティ総裁とUNWTOのズラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長がマドリードにあるUNWTO本部でMOUに調印した。
これにより、両者は2030アジェンダと国連が定める17項目のSDGsの達成に向けて観光分野での協力を進めていく。今回のMOUは前日にEBRDが明らかにした新しい資産/観光戦略に足並みをそろえるもの。
両者は取り組みの中でも特に、地域活性化や経済多様化に向けた社会、経済、環境における開発で観光産業の役割を強化していく。また、観光分野での人材育成にも注力。これまでのベストプラクティスを取り込むことで雇用創出や人々の社会経済的な参加を手助けしていく。
さらに、観光産業のガバナンスや制度の強化を進め、共通の課題に対して国と地方双方で政策対話を促していく。また、観光分野への投資も促進していくほか、観光産業へのODA増額を提唱していく。
UNWTOのポロリカシュヴィリ事務局長は、「観光はSDGsのなかで中心的な役割になっている。今回の関係強化によって、EBRDは、観光産業さらに前進させ、ビジネス環境の変化を手助けし、デジタル経済への変換を促してくれることで、あらゆる人々の利益になる観光に成長させてくれることを期待する」とコメント。
一方、EBRDのチャクラバルティ総裁は「観光は、世界経済において非常に重要かつ成長の早い産業だ。貧困対策や地域の経済活性化に加えて、すべての人たちに経済的な関わり合いや価値のあるスキルを提供することで、雇用機会を増やすこともできる」と述べた。