日米の大手航空会社は、新型コロナウイルスの終息が見通せないなか、予約変更やマイル会員の条件で柔軟な対応を見せている。新型コロナ終息後を見据えて、顧客の引き止めを図る。また、先が見通せない中で、先の航空予約を控える傾向が顕著となるなか、予約変更が柔軟にできる点をアピールして先々の予約につなげる策も多数登場している。
日米大手航空会社の対応をまとめた。
JAL
JALは、JALマイレージバンク(JMB)で特別対応を実施。事前登録したJMB会員に対して、有効期限をむかえたマイルを、1マイルを1.5 e JALポイント換算としてe JALポイントを積算するほか、有効期限をむかえたe JALポイントは、同数のe JALポイントを積算する。有効期限をむかえたマイルおよびe JALポイントは一旦失効するが、事前登録した翌月下旬ごろに積算日から1年後の同月末を有効期限とするe JALポイントを積算する。有効となる事前登録期間は、2020年3月26日~7月31日。
また、2020年2月1日~2020年7月31日までのJALおよびJALグループ運航便に搭乗して獲得したFLY ON ポイントを通常の2倍として積算する。
ANA
ANAは、2020年3月31日~2021年2月28日までに有効期限を迎えるマイル・ANA SKY コインについて、2021年3月31日まで有効期限を延長する。有効期限を迎えたマイル・ANA SKY コインは一度失効するが、翌月下旬頃に、2021年3月31日の有効期限として同数のマイル・ANA SKY コインを積算する。
また、2020年1月1日から2020年6月30日までのANAおよびANAグループ運航便の搭乗で獲得したプレミアムポイント数を通常の2倍にする。
アメリカン航空
アメリカン航空は、2020年9月30日までに出発する予定の顧客に対して変更手数料を免除。対象となる航空券は2020年4月7日以前に購入し、2020年12月31日までに出発するもの。出発地と到着地を変更することができるが、差額がある場合は、それを支払う必要がある。AAdvantage特典航空券も対象。
また、2020年3月1日~2020年5月31日までに購入した航空券についても、変更手数料を免除。返金不可航空券にも適用される。
デルタ航空
デルタ航空は、購入した航空券について、再予約可能な出発期限を2022年5月31日まで延長する。対象となるのは、2020年4月3日時点で予約している2020年4月あるいは5月の出発便、2020年3月、4月、5月に運休した出発便。また、2020年3月1日~5月31日までに購入した航空券は、購入日から1年間、変更手数料を免除する。
スカイマイル会員への対応では、2020年のメダリオンの会員資格を2021年度メダリオンプログラムまで自動的に延長。2020年に獲得するメダリオン資格マイル (MQM)は、2021年に繰り越され、2022年のメダリオン会員資格を得るためのMQMとして換算される。さらに、デルタ スカイクラブの個人会員およびエグゼクティブ会員で、2020年3月1日以降に有効期限を迎える会員は、有効期限が6ヶ月間延長される。
このほか、スカイマイルのプロフィール 「マイウォレット」については、アップグレード証書または200ドルのトラベルバウチャーで、有効期限が3月1日から2020年6月30日までのものは、2020年12月31日まで延長。2020年6月30日以降に有効期限を迎えるアップグレード証書または200ドルのトラベルバウチャーは、現在の有効期限からさらに6カ月延長される。
ユナイテッド航空
ユナイテッド航空は、2020年4月7日~30日の間に、2020年末日までの航空券を予約した顧客に対して、変更料およびキャンセル料を免除する。また、キャンセルを希望する顧客は、購入航空券と同額の電子旅行証明書(ETC)を求めることも可能。有効期限は発行日から24ヶ月。
また、マイレージプラス会員については、現在のプレミアステータスを2022年1月まで延長。2020年中に獲得したスタータスが2020年1月まで保持されるほか、2021年においては、より高いステータスを取得しやすくするため、それぞれのステータスについて、プレミア資格基準を通常の50%にする。
さらに、ユナイテッド・クラブ・クレジットカードやユナイテッド・エクスプローラーの利用で獲得できるポイントを増やすほか、アップグレード特典も強化する。