日本政府観光局(JNTO)によると、2020年3月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、前年の276万人から93.0%減となる19万3700人に激減した。新型コロナウイルスの世界的流行により、3月に入って自国民に対する海外渡航の制限や外出禁止の措置をとる国が拡大したほか、日本でも入国拒否や制限・査証無効化の措置を行なったことが要因。その結果、JNTOが訪日外客数を発表する20市場すべてで、大幅減となった。
市場別では、東アジアが97.6%減の4万4700人(前年同月185万人)で、減少幅が最も大きい。中国は98.5%減の1万400人(同69万人)、韓国は97.1%減の1万6700人(58万5600人)となったほか、台湾や香港も訪問客数が1万人を下回った。このほかの市場も、7割減から9割減の間での推移となっている。
日本では新型コロナウイルスの感染拡大防止策として、3月に入国規制の対象地域を拡大。3月18日には、イタリア、スペイン、スイスの一部地域、アイスランドを入国拒否の対象にしたほか、欧州諸国やエジプトなど38か国に対して14日間の待機要請を発表した。3月31日には全世界3分の1強にあたる73か国地域を渡航中止勧告の対象とし、4月1日には同地域を日本への入国拒否対象地域に追加したことから、4月の訪日外国人旅行者数はさらに厳しい結果になることが見込まれる。
訪日外国人数の月次推移と市場別の数値は以下のとおり。