世界の航空会社の運休・減便は底を打ったか? 航空座席供給量は4月最終週に増加傾向、一方で未だ164社が運航なし

航空データを提供するOAG社は、定期航空便の提供座席数が4月最終週になって増加に転じていることから、運休・減便は底を打ちつつあると分析している。4月最終週の調整済みの座席供給量は、依然として世界で3000万席を下回っているものの(前年同時期は約1億1000万席)、第3週と比較すると2%の増加となっている。

多くの地域で、週毎に提供座席数の増加が見られる。たとえば、西ヨーロッパでは、ウィズエアが多くの空港から計画通り運航を開始。ターキッシュ・エアラインズも5月1日から国内線の運航を再開する。北東アジアでは、中国の航空会社でキャパシティーの増加が見られ、5月1日から始まるレイバーデイ(労働の日)休暇からは、さらに増加が見込まれている。

当然ながら、需要の回復が前提だが、国際航空運送協会(IATA)の調査によると、60%が今後1、2ヶ月の間に旅行を再開したいと答えている。

1月20日から5月3日までの地域ごとの提供座席数の推移(報道資料より)

国内線の座席供給量は航空市場全体の85%を占めるが、4月第4週は第3週の87%まで減少した。一方で、若干ではあるが、西ヨーロッパ、香港、韓国などでは国際線の座席供給量が増加傾向にある。アメリカでは国内線で45万席が減少したが、奇しくも中国では同程度増加した。4月、アメリカでは39%の国内線が運休。日本では21%が運休した。

4月第4週の提供座席量のトップ10航空会社は、第3週とほぼ同じで、トップ3はサウスウエスト航空、アメリカン航空、中国東方航空。注目すべきは山東航空で、1月では世界39位だった順位が10位にまで上昇した。これは、相対的に大手航空会社が大幅にキャパシティーを削減したためと考えられる。

今年1月20日時点で定期便を運航していた164社が現在、一便も運航していない。ライアンエア、インディゴ、イージージェット、オーストリア航空などは依然として運航を止めている。また、イベリア航空、KLM、カンタス航空、ニュージーランド航空、ルフトハンザなど91社以上が通常の10%以下の運航にとどまっている。

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