熊本県観光協会連絡会議は、熊本県内でも新型コロナウイルスの感染拡大によって、宿泊施設、飲食店、交通など観光関連事業者が深刻な影響を受けていることから、「新型コロナウイルス感染症収束後の旅行・観光に関する意識調査」を実施した。
調査は、2020年4月27日~29日かけて、全国の一般消費者に対して無記名でのWEBアンケート方式で行われ、3247件の有効回答が集まった。
行動を再開する時期についての質問では、近隣エリアへの旅行は、「外出自粛要請の解除後」が最も多く34%。次に「緊急事態宣言終了後3ヶ月程度」の12%、「日本の緊急事態宣言解除後」の11%が続いた。飛行機や新幹線を利用した国内旅行は、「当面は控える」が29%と最も多くなった一方で、「外出自粛要請の解除後」も23%となった。
一方、海外旅行は46%が「当面は控える」と回答。近隣ほど早く、遠方ほど遅い再開意向という結果となった。
今後の旅行意欲については、「早く旅行に行きたい」と「行きたいとは思う」を合わせると、7割以上が旅行に意欲を示す結果となり、旅行情報の閲覧に関しても「自粛後の楽しみが増えるので歓迎したい」という肯定的な回答が半数以上を占めた。
収束後の旅行でやりたいことでは、「温泉やリゾートホテルでのステイ」の回答が最も多く、「ご当地の食めぐり」「景勝地・寺社仏閣巡り」「アウトドア」が続いた。一方、避けたいことのトップは「テーマパーク・遊園地」で、このほか「都市観光」「屋内施設」などが上位となり、いわゆる3密を避けたい意向が表れる結果となった。
今後の団体旅行の参加意向でも意識の変化が見られ、これまで参加していた人のなかで「考えなおす・参加しない」との回答が4割程度にのぼり、旅行形態が個人にシフトしていく傾向が見られる結果となった。
収束後の旅行先の選び方については、「特に変化しない」が半数以上となったものの、約30%が「都市部は避ける」、約15%が「感染者数が多かった地域は避ける」と回答した。
また、収束後に旅行に行くきっかけとしては、「まとまった休みが取れたら」「家族・友人の誘いがあったら」が多い傾向にあり、休校や休業が原因で休日不足が発生した場合、旅行の足かせになる可能性がある。
現在、さまざまなイベントが中止を余儀なくされているが、収束後のイベントの参加意欲について尋ねたところ、「花火大会や地域のお祭」への参加意欲は高いものの、3密が懸念される音楽フェスや大規模屋外イベント、ライブハウスでのライブなどは参加意欲が低くなる傾向となった。
このほか、外出自粛が続くゴールデンウィーク期間中、都道府県をを超えて旅行することで、住民と観光事業者の軋轢が生まれる状況もあったため、地域への旅行者の受け入れについても質問。その結果、日本人旅行者を受け入れに肯定的な回答は約6割を超えている一方、外国人旅行者の受け入れについては約6割が否定的な回答となった。