エクスペディア・グループは、新型コロナウイルスの影響で困難に直面している宿泊施設パートナー向けに、総額2億7500万ドル(約295億円)の支援を実施する。同社は4月に宿泊施設パートナー向けに調査を実施。その結果、要望としてレジャー市場と国内旅行の需要予測、マーケティングへの投資とデスティネーションの需要喚起、エクスペディア・サイトの改善、財政支援の4項目が多かったことから、今回の支援プログラムを決めた。
まず、エクスペディアは、2億5000万ドル(約268億円)をマーケティング費と宿泊施設パートナーの財政支援に充当。2019年に宿泊施設パートナーから徴収した総手数料の25%を再投資に回すことになる。各パートナーは、自社が展開する市場の需要回復傾向に応じて、このプログラムを活用することが可能。現在は、アジアの数カ国で試験運用を開始しているところだという。
また、3ヶ月間の支援プログラム期間中は、手数料を減額することも決めた。
需要回復の傾向予測については、「マーケット・インサイト」と呼ばれる分析ツールを通じて、最新情報を提供。ホテルグループあるいはホテルチェーン向けには、旅行会社へのホールセール価格を最適化する流通ソリューションを展開していく。
デスティネーションの需要喚起では、2500万ドル(約26億8000万円)を投入。エクスペディア・グループ・メディア・ソリューションズが、デスティネーション単独のキャンペーンを援助するほか、エクスペディアと共同でキャンペーンを展開していく。
エクスペディア・グループとしてもグローバルにブランドキャンペーンを実施。すでに「Where Next?」と呼ばれるオンラインキャンペーンを展開しているほか、パートナー企業と共同でビデオ会議、バーチャル結婚式、バーチャル旅行などのサービスを提供している。
このほか、パートナー向けに教育プログラム「エクスペディア・グループ・アカデミー」を無料で提供。さらに、エクスペディアが策定した宿泊施設での新たな公衆衛生ガイドラインも提示する。
※円換算は1ドル107円でトラベルボイス編集部が算出