航空データ分析「シリウム」は、2020年6月3日時点の旅客航空の最新状況をまとめた。同社は、新型コロナウイルスの発生以降、運航数や運休数だけでなく、航空機の稼働状況などから、日毎の航空市場の変化を追跡している。
6月3日のリポートでは、今後の世界の供給回復の目安になることから、中国の国内線市場に注目している。それによると、新型コロナウイルスの感染拡大がピークを迎えていた2月13日には、運航スケジュールの86%にあたる1万1294便が運休されたが、6月2日の運航データでは、約23%の運休にまで回復した。
国際線を含めた中国の航空会社の運航状況を見ると、シリウムが追跡した運航便数は、1年前よりも依然として30%も少ないものの、ほぼ4分の3が減少しているアメリカと比較すると、その状況はかなりよいといえる。
また、ニュージーランドの状況を航空機の稼働の視点から分析。5月30日までで、Dash8などリージョナル・ターボプロップ機(短距離用のプロペラ機)の稼働がかなり増え、A320ファミリーなどの単通路機の稼働も増加傾向にある一方、ニュージーランド航空を見ると、777型機よりも供給量の少ない787-9型機の方が稼働率が高くなっている。
このことから、シリウムでは、ニュージーランドの航空市場は、国内から回復し、次に近距離国際線、最後に大陸間の国際線が続くと分析している。