世界観光機関、観光が主産業の島国に支援を呼びかけ、コロナ禍中の観光収入激減で経済に深刻なダメージ

国連世界観光機関(UNWTO)は、新型コロナウイルスの感染拡大による旅行需要の激減で苦しむ発展途上島国(SIDS)に対して、強力な支援がなければ、経済が破綻すると警鐘を鳴らしている。

SIDSとは、小さな島で国土が構成される開発途上国。フィジーやパラオ、ミクロネシア連邦など世界各地の38か国が含まれている。

UNWTOによると、SIDS38カ国の大部分において、観光収入は全輸出額の30%以上を占めるなど、観光産業は経済の中心になっているが、新型コロナウイルスの影響により、多くの雇用が喪失し、為替レートの下落、税収の減少などで経済状況は悪化の一途をたどっている。

2019年のSIDSへの海外旅行者数は合計およそ4400万人で、観光収入は550億ドル(約5兆9000億円)にのぼったが、今年4月までの旅行者数は前年比47%減に落ち込んだ。国連によると、2020年のSIDSの経済は前年比で4.7%縮小すると見込まれており、これは世界平均の3%を上回る。

*円換算は1ドル107円でトラベルボイス編集部が算出

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