京都市内の旅館、2019年の稼働率は68%、修学旅行受け入れは全体の36%、宿泊客の約3人に1人が外国人

京都市観光協会は、2019年の市内108旅館における稼働実態調査の結果を発表した。それによると、客室稼働率は67.6%となり、2015年の前回調査からは2.5ポイント減となったものの、全国平均(38.8%)や京都府平均(40.8%)を大きく上回る結果となった。

また、年間の稼働率が8割を超える施設の割合は21.2%で、前回調査から15.1ポイント減。月別の稼働率を見ると、最も高かったのは桜シーズンとなる4月の81.2%。次いで、紅葉シーズンとなる11月の79.7%。稼働率が低かった月は、1月(47.7%)、2月(51.8%) 、7月(55.9%) 。

京都市の特徴として、修学旅行による旅館の利用が多いことが挙げられるが、調査結果によると、市内旅館の宿泊者に占める修学旅行客の比率は26.7%。一方、修学旅行客の受け入れを行う施設の割合は市内旅館全体の35.8%。コロナ禍で国内旅行が停滞し、インバウンド需要がほぼゼロのなか、修学旅行客の重要性が極めて高くなっていることが示される結果となった。

月別で見ると、修学旅行客の割合は5月、6月、10月が高いことから、同協会では、「一般の観光客が多い時期とは重ならないため、宿泊需要の季節平準化に貢献していると考えられる」と分析している。

一方、インバウンド市場では、外国人比率は前回調査を4.8ポイント上回る34%となり、宿泊客の約3人に1人が外国人という結果になった。また、全体の35.8%では、集客の6割以上を外国人客が占めており、京都の旅館にとって訪日外国人の存在感が強まっていることが伺える。

国別の構成比を見ると、最も多いのが中国で全体の35.8%。次いでアメリカ(11.7%) 、台湾(7.2%) 、フランス(6.9%) 、韓国(6.2%) が続いた。韓国とフランスについては、旅館における構成比が、市内主要ホテルにおける構成比よりも2倍以上高い結果となった。

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