LCCエアアジアは、2020年9月1日からチェックインカウンター使用料の課金を始めた。現在適用されているのは、マレーシア、ベトナム、ブルネイ、カンボジア、ラオス、台北、高雄、ホノルルの各空港。国内線は1人20リンギット(約512円)、国際線は1人30リンギット(約768円)。同航空では、これによって、非接触自動チェックイン機とスマホのモバイルアプリでのチェックインを促進していく。
同航空の2020年第2四半期の収益は、新型コロナウイルスによる影響で、前年同期比96%減の1億1900万リンギット(約30億4600万円)に大幅に減少し、当期損益も前年の4700万リンギット(約12億300万円)の利益から12億リンギット(約307億2000万円)の損失に落ち込んだ。
一方、デジタルビジネスは好調に推移している。同航空のエアアジア・ドットコムは、航空券販売だけでなく旅行やライフスタイルサービスを提供するプラットフォームに進化しているところ。その第2四半期の収益は同137%増、第1四半期の成長率118%も上回る結果となった。
エアアジア・ドットコムでは、新たにフライトと宿泊を組み合わせたダイナミックパッケージ・プラットフォーム「SNAP」を立ち上げた。また、食品注文ソリューション「Food by AirAsia」、生鮮食品の宅配サービス「Fresh by AirAsia」、アセアン諸国への越境EC配送サービス「Teleport」はコロナ禍で業績を伸ばしている。
このほか、電子送金サービス「Big Pay」の収益は第2四半期で同11%増。上半期の取扱量は前年比469%も増加した。現在のところ、Big Payのサービスはマレーシアとシンガポールでで運用され、10カ国への送金が可能になっているが、同航空ではさらにサービス範囲を拡大するとともに、第3四半期には新しい商品の投入も計画しているところだ。
航空事業については、新型コロナウイルス発生以前と比較して、2020年第4四半期までにマレーシアで70~75%、フィリピンで60%、インドネシアで35%、インドで75%の運航を予定。エアアジアタイについては、105%の供給量を予想している。
同航空では、黒字化に戻るのは数年かかると見ているが、その期間、コスト削減とエアアジア・ドットコムでのデジタルビジネス拡大で乗り切る考えだ。
なお、海外メディアでは、同社が日本事業の継続を検討しているという報道がなされている。
※リンギット円換算は1リンギット25円でトラベルボイス編集部が算出