世界的な感染再拡大で航空業界にさらに打撃、新たに3.5億席の供給減少の予測、ロックダウンの欧州は急減

航空データ分析のOAG社が、直近の世界の航空供給状況と今後の予測を発表した。ヨーロッパの主要都市で再びロックダウンが始まり、その波及がヨーロッパ路線に依存している地域には拡大したため、2021年1月第2週の世界の供給量は、前週比で全体の約7%に当たる約400万席減少した。

2021年1月は現在までのところ、昨年を約47%下回っている。今後は、旅行制限が継続されることから、さらに座席供給は後退する見込み。3月末までに市況の改善がほとんど期待されていないことから、世界で3億5000万以上の座席が削減される見込みだとしている。

OAG発表資料より1月第2週を地域別で見ると、最も座席が減少したのは東欧・中欧で前週比26.1%減、西欧も同24.9%減。前年比では西欧が75.6%減と飛び抜けて減少率が大きくなった。

一方、東アジアは前週比で1.7%減、前年比で25.2%減。北米は前週比6.3%減、前年比49.3%減。前年比では、すべての地域で引き続き大幅な減少になっているが、前週比では南アジア(1.9%増)、南西太平洋(2.5%増)、北部南米(0.1%増)が座席供給を増やした。

1月第2週の主要国を見ると、中国は前週比1.8%減にとどめ、前年比でも8.4%減。しかし、全座席供給量のうち国際線の比率は前年の12%から今年は1%に落ち込んでいる。1月7日から1都3県が緊急事態宣言に入った日本は、前週比8.1%減、前年比52.1%減。最も減少率が高いのはロシアで19.2%減。

主要国の中で前週比でプラスとなったのはオーストラリアで5.7%増と座席供給量を増やし、前年比の46%にまで戻した。また、インドも0.8%増となった。

航空会社別では、中国東方航空(前週比5.1%増)やIndiGo(同0.8%増)が座席供給を増やした。一方、ANAは9.0%減、サウスウエスト航空は10.1%減、デルタ航空は4.6%減、ユナイテッド航空は4.8%減など感染拡大が続く国では供給量の減少が見られる。

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