人事・組織コンサルティングのマーサージャパンは、リモートワークの制度化に向けた労務・手当・福利厚生対応の実態調査の結果を発表した。
これによると、回答した320社のうち83%の企業がリモートワークを働き方改革推進の一環として恒常的に導入する予定であると回答。ただし、現在の対応は労働環境のハード面や手当、労務管理の整備にとどまる企業が多く、本質的な人材マネジメント改革には至っていない企業が多かったという。
マーサージャパンでは、自宅でのオフィス労働環境の再現に注力するなど、「管理」の視点が強い傾向がみられると指摘。これまでの労務管理を前提にすると、自由度の高いリモートワークの良さを生産性につなげる本来の目的を損なう恐れがあると注意喚起している。
以下は調査結果の一例。リモートワーク中の労務管理や労災対応について聞いている。
調査結果の一例
※回答期間:2020年12月10日~25日
1.リモートワークにおける労務管理
【リモートワーク中の労働時間の把握方法】
- 就業開始・終了時にメールでの報告:48%
- タイムカード入力:40%
- PC及び使用システムの稼働状況:26%
2.リモートワークにおける福利厚生制度
【リモートワーク手当の支給】
- リモートワーク手当導入済の企業:31%
- 初期設定費用のための一時金の給付水準:3万円
- 約半数の企業が支給している定額手当の給付水準:4200円
【通勤費の支給】
- これまでと同様に通勤費を支給している企業:51%
- 全社もしくは一部の職種・部門に対する通勤費を実費精算に切り替えた企業:38%
【社員食堂、企業内託児所・診療所の運営】
- 社員食堂は69%、企業内託児所は96%、企業内診療所は78%の企業が通常通り営業・開設
3.リモートワーク時の労災対応
【メンタルヘルス維持・向上のための施策】
- ストレスチェックの回答促進:69%
- 相談窓口開設:58%
- EAP(Employee Assistance Program)導入:42%