JTB総合研究所は、「新型コロナウイルス感染拡大による、暮らしや心の変化および旅行に関する意識調査(2021年8月)」の調査結果をまとめた。2020年2月から定点で意識調査を実施しており、今回は前回(未発表)から4か月ぶり9回目の調査となる。
まず、今後の旅行の予定について尋ねたところ、2021年7月~2022年6月までの1年以内に旅行を予定・検討している人の割合は全体では34.5%。そのうち「2021年に行きたい」と回答した人は23.6%となった。年代別では、意欲が最も高ったのは男女20代30代と男性60歳以上のシニア層。
海外旅行については、2021年または2022年に予定・検討している人は全体で11.6%。特に若い年代の意向が強く、男性20代27.2%、男性30代19.5%、女性20代20.0%という結果となった。
現在、予定・検討している国内旅行の実施時期については、2021年以内の実施が全体の87.5%を占め、そのうち9~10月が32.8%、11~12月が15.7%。9~10月は男女20代と男性60歳以上、11~12月は女性50代・60歳以上が高い結果となった。
緊急事態宣言が発令された場合について尋ねたところ、「旅行は中止する」が28.1%、「旅行の変更(出発時期・行き先・同行者など)を検討する」が37.8%となり、合計65.9%の人が何かしら対処を考えると回答。一方、「特に気にしない・旅行の予定には影響しない」は34.1%となった。
今後どんな状況であれば旅行に行きたいかを尋ねたところ、「良いプランや宿泊施設がとれれば(34.5%)」「新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向になれば(32.3%)」が高い割合に。「新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向になれば」は今回の調査で32.3%に上がったが、旅行先の情報を調べ、自己防衛しながら旅行する気持ちに変化していく状況には変わりはない。
自分の居住している地域に旅行者が来ることについての考えに対する質問では、「自分が住んでいない大都市圏からの旅行者」は「歓迎したい」と「来てほしいが不安はある」の合計は33.3%だったが、旅行者がワクチンを接種していることが前提であれば45.8%に上昇した。「海外からの旅行者」も同様に、22.5%から35.9%に上がる結果になった。
ワクチン接種後の会食や旅行については、「しばらく控えたい、控えている」が24.7%。「積極的にしたい、している」は8.6%にとどまり、慎重な姿勢が伺われる結果となった。