トリップアドバイザー、サブスクで新展開、キャッシュバックを開始で、新ウォレットサービスを構想【外電】

トリップアドバイザーは、米国でサブスクリプションサービス「トリップアドバイザー・プラス」を2021年6月に正式にローンチした。それ以降、大手ホテルチェーンを取り込むなど、会員を増やす変更をいくつか実施している。

最も注目すべき変更は宿泊料金に関するもの。2020年12月にベータ版でリリースされ、今年3月に世界中のホテルに適用された。参加ホテルは会員向けに直販よりも安い料金を提供。その代わりに、トリップアドバイザーへの予約手数料が免除されるというものだ。

そして、今年第4四半期からは会員向けにキャッシュバック特典の提供に移行する。

参加ホテルは、最低価格を提供し、予約時にはトリップアドバイザーに手数料を支払う。トリップアドバイザーは、会員がチェックインした後、手数料と同額を会員にキャッシュバックする。トリップアドバイザー・プラスのゼネラルマネージャーであるシーン・グラバー氏によると、「莫大な手数料を社内のアルゴリズムを活用して会員に還元していく」。

この特典では、チェックイン後24時間以内に複数の支払い方法で会員に還元されるという。

グラバー氏は「まだ支払いの方法については明らかにできないが、馴染みのある決済ソリューションが導入されるだろう。ローンチ後は、そのうちのいくつかでサービスを開始し、その後支払いチャネルを追加していく」と説明する。

また、トリップアドバイザーの長期的な戦略についても言及。「この取り組みで、トリップアドバイザー上でのウォレット・テクノロジーを構築していく。ウォレットに貯めたお金を、次の旅行で使ったり、そのまま貯蓄することを可能にしていく」。

一方で、「ウォレットをどのように機能させていくか結論は出ていない。滞在中の飲食やそのほかのサービスでの利用はまだ未解決のままだ」と明かす。トリップアドバイザーとしては、ホテルと協力して、お金を貯蓄するのではなく、ホテルのサイト上で消費できる仕組みを開発していきたい考えだ。

キャッシュバックには課題も

課題はまだある。トリップアドバイザーが会員のチェックインをどのように把握し、キャッシュバックが行えるのか。同社広報のブライアン・ホイト氏は、「API接続と他の方法を組み合わせて、チェックインを追跡する」との回答にとどめている。

また、チェックイン追跡の複雑さに加えて、このサービス開発のためにどのように資金を調達するのか懸念する投資家もいる。実際、この発表後、同社の株価は7.6%下落した。

ホテルが通常手数料を支払うのは、旅行者が出発した後7~45日以内。「チェックイン時にキャッシバックする場合、トリップアドバイザーはどのようにその資金を調達できるのか」という疑問の声もある。

トリップアドバイザーは、参加ホテルからの手数料が、そのまま特典に「継続的に資金を提供できる」と説明。グラバー氏は「テクノロジーによって、それは可能。スムーズなキャッシュフローのタイミングで、会員に多くの価値を提供できる」と強気だ。

同社によると、過去数か月間にわたって、会員とホテルの両方から、この仕組についてフィードバックを得ているという。

広報のホイト氏は「トリップアドバイザー・プラスには現在数万軒のホテルが参加しているが、もっと増やす必要がある。ホテルが多いほど、このサービスの意義が高まる」と話す。

会員獲得に向けてホテル以外のサービスも

トリップアドバイザー・プラスのサービス変更について、ホスピタリテイコンサルタントのシモーネ・プオルト氏は、「トリップアドバイザー・プラスの結果があまりよくないため、作り直す必要性を感じているのでは」と分析する。

プオルト氏によると、世界で最も人気のある都市のひとつで人気ナンバーワンのホテルは、トリップアドバイザー・プラスからの予約は5ヶ月でたった3件だった。

それでも、トリップアドバイザーは、参加ホテルが増えれば、会員が増え、予約も増えるとして、サブスクリプションサービスに大きな期待を持っているようだ。

ホテルでこのサービスは開始されたが、プオルト氏は「レンタカー、フライト、体験でも特典があることを考えるべき。それは宿泊での特典以上の価値がある」と話す。

トリップアドバイザー・プラスでは、新たに高級ブランド品のレンタルサービス「Rent the Runway」やアマゾンのオーディオブック「Audible」とパートナーシップを組み、新たな価値を会員に提供し始めた。プラスの会員は、「Tripadvisor Text」を通じて、旅行計画作成サービスも受けることが可能になった。

キャッシュバックは今年第4四半期から開始されるが、会員がそのサービスを望まない場合は、ケースバイケースで対応するとしている。

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:TRIPADVISOR REVAMPS PLUS, SHIFTS DISCOUNTS TO CASH-BACK

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