JALグループのLCC「ZIPAIR Tokyo」は、2021年12月25日から週3便で成田/ロサンゼルス線に就航する。太平洋路線にLCCが就航するのは同航空が初めて。同航空は、これまでソウル、バンコク、ホノルル、シンガポールに就航しているが、設立当初から中長距離路線への就航を目指していた。
西田慎吾社長は発表会見で、長距離路線で最初の就航地にロサンゼルスを選んだ理由について、在留邦人の数が世界最大の都市であることに加えて、東南アジア/日本/北米の人流最大の拠点であることや高い貨物需要も挙げ、「ロサンゼルスは一丁目一番地の就航都市」と位置づけた。
また、11月8日から日米双方で水際対策が緩和され、来月には787-800の3号機を受領することから、このタイミングでの就航を決めたと説明した。
西田社長によると、タイでも入国規制が緩和されていることから、ここ数ヶ月の予約が伸びており、11月第1週の予約は9月の約6倍になっているという。「現在、コロナ禍の影響を大きく受けているが、光が見えてきた。現在フルサービスキャリアしか乗り入れていない路線で新しい選択肢を提供していく」と意欲を示した。
ロサンゼルス国際空港では、JALも使用するトム・ブラッドレー国際線ターミナルを使用する。運賃は「ZIP Full-Flat Value」が8万8000円から、「Standard Value」は2万7500円から。「フルフラットはフルサービスキャリアの4分の1以下。価格競争力は高い」と自信を示した。燃料費の高騰が懸念され、需要の変動も予想されるが、「できるだけこの運賃を継続していく」考えだ。
成田/ロサンゼルス線では、デジタル健康証明書アプリ「VeriFLY」を導入する。すでに、JALでは日本発米国本土行き路線(ハワイ・グアムは除く)で、従来の検査結果に加え、ワクチン接種証明書の登録も始めている。
このほか、西田社長は今後の路線展開について「カナダから米国の西海岸には在留邦人が多い都市は多い。レジャー都市としてラスベガスもありえる」と意欲を示すとともに、東南アジアと日本と北米を結ぶ際際の乗り継ぎも強化していく考えを明らかにした。
同航空は2021年度末までに4号機、2022年度には5号機と6号機を導入し、2024年度までに10機体制を目指す。
成田/ロサンゼルス線の運航スケジュールは以下の通り。
- ZG24 成田14:45発/ロサンゼルス7:40着/火・木・土
- ZG23 ロサンゼルス9:40発/成田14:25着(翌日)/火・木・土