ポルトガル政府観光局は2021年11月22日、旅行会社向けイベント「ポルトガル政府観光局セミナー&レセプション」を開催した。約2年ぶりのリアル開催となった同イベントには業界から約80名が参加。withコロナでの観光客受け入れ体制や観光の最新情報を紹介するなど、需要回復を本格化させる方針を示した。
冒頭では、ポルトガル政府観光局 CEOのルイス・アラウージョ氏がビデオメッセージで「2022年はポルトガルで日本の旅行者に会えることを楽しみにしている」と、旅行再開への期待を表明。続いて、ポルトガル政府観光局 日本・韓国 観光局長のイネス・ケイロース氏が、ポルトガル国内の現状や入国状況などを説明した。
2021年10月下旬時点で、ポルトガルのワクチン接種率は87%。EU・その他一部の国の発行するワクチン接種証明の保有者には入国規制が緩和され、また一定のコロナ対策基準を満たす国内の事業者・団体には「clean & safe 2021」の認証を付与していることも明らかにし、国際観光再開にむけた安全対策をアピールした。
また、ポルトガル政府観光局プロモーションマネージャーの高岡千津氏が、最新の観光情報をアップデート。日本の旅行業界への新たなアプローチとして、25ある世界遺産、ワインツーリズム・食をアピールした。
世界遺産については2019年、ポルトガル北部のブラガにある「ボン・ジェズス・ド・モンテ聖域」と、リスボンより車で約40分のマフラ歴史地区に位置する「マフラ国立宮殿」の2件が新たに登録されている。また、ワインツーリズム関連のユニークな観光素材として、ワイン樽をベッドルームに利用した宿泊施設や、馬車でのワイナリーめぐり、ワイナリーに併設されたワイン博物館、ワインとのペアリングで料理を楽しめるミシュラン星付きレストランなどを新たな素材として紹介した。
ワインツーリズムはポルトガルが国策として力を入れており、政府が6000万ユーロ投資して関連施設のインフラを整備。最大の目的は農村地域の活性化だ。世界的に注目を集めるポルトガルの食・ワインは観光資源としてのポテンシャルも高く、ポルトガルワインの生産地として有名なドウロ川上流地域やピコ島はユネスコ世界遺産にも登録されている。会場では、ポルトガル政府観光局によるワインツーリズムのプロモーション動画も披露され、ワインを自然やアートなど「感覚」と結びつけるコンセプトを参加者に印象づけた。
YouTube 動画:ポルトガル政府観光局 Portuguese Wine Tourism