認証プラットフォームを提供するAuth0(オースゼロ)社は、顧客ID&アクセス管理(CIAM)に関する調査レポート「ログイン体験の期待と現実」を発表した。2021年2月から8月にかけてオンライン上で実施したもの。日本を含む世界の12カ国 、1万7000 人の消費者と オンラインサービスを提供する企業に勤務する2400人のIT・マーケティング分野の意思決定者から回答を得た。
調査結果によると、EC利用で83%は面倒なログイン・登録プロセスを理由に、購入やアカウント設定を放棄したと回答。日本市場に限ると76%で、そのうち5人に1人は「何度も(放棄した)経験がある」と回答した。
年代別では、35~49歳が他の年代よりも高い(28%)。世代別EC利用率も、仕事や子育てなど時間的制約のある30~40代が高いことから、ECの利便性が企業のビジネス機会に直結していることがうかがえる結果となった。
一方、企業側で、アカウント設定を放棄した理由がログインプロセスに起因すると考えているのは44%だった。Auth0は、顧客の行動と企業の認識の乖離を指摘した。
消費者が登録体験で感じている不満は以下の通り。Auth0は、ID登録や購入プロセスの中断が収益の減少に直結しているとし、企業にとって認証戦略の最優先に顧客体験を置くことが、重要な課題になっていると指摘した。
- 54% - 長いログインフォームやサインアップフォームの入力
- 51% - 個人情報の入力(パスポート番号、身分証明書など)
- 45% - 一定の条件を満たすパスワードの作成(桁数、記号など)
- 42% - アプリやオンラインサービスの利用毎に新しいID/パスワードを作成する必要がある
- 31% - 自分の電話/メールに送信されるワンタイムパスワードを介したアカウントの確認