シンガポールで航空ショー開幕、航空需要の回復で新規受注が続々、一方で中国の不参加など規模縮小

展示会場の様子(写真:AP通信)

2年に1度開催されるシンガポール航空ショーが2022年2月15日に開幕した。厳格な感染対策のもと、一般客の入場はなく、出展者もパンデミック発生直後の2年前の930社から約600社に減少した。参加する関係者も2020年の約3万人の半分以下の1万3000人にとどまる見込みだ。AP通信が報じている。

それでも、世界的な防衛費の増加と民間航空需要が回復基調にある現在、興味深い航空ショーになるとの専門家の声も多い。ボーイング、エアバス、ロッキードマーチンも出展。ボーイングの最新機777Xがデモフライトを行い、アジアデビューを果たした。

ボーイング民間航空機マーケティング担当副社長のダレン・ハルスト氏によると、777Xは従来機よりも約20%燃費効率を向上させているという。すでにシンガホール航空が発注している。ハルスト氏は「今後、各国の水際対策が緩和されるにつれて、長距離国際線市場も回復し、2023年末あるいは2024年初頭には2019年レベルに戻るのではないか」との見通しを示している。

一方、ボーイングのライバルであるエアバスは、48機の新規受注を発表。クウェートのジャジーラ航空がA320neo型28機、米国を拠点とする航空機リース会社アビエーション・キャピタル・グループがA220型20機を発注した。

今回のショーで注目すべきは、「ゼロコロナ政策」をとる中国が参加していないことだ。ある専門家は「中国が今回のショーに参加していないことよりも、世界の国際航空産業の回復に加わっていないことの方が重大なこと。航空機市場が完全に回復するためには、中国が回復しなければならない」と話している。

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