米国で再燃する機内マスク論争、廃止か継続か、航空会社は廃止を要望 【外電】

米国では、公共交通機関でのマスク着用義務が来週にも終了する予定だ。航空会社や共和党の議員らは、バイデン政権に対して、予定通りに終了することを求めてるが、米疾病予防管理センター(CDC)は、まだ最終的な結論は出しておらず、感染拡大を抑制する新たな枠組みを議論している。

※編集部注:この記事の公開後、米政府は航空機および公共交通機関でのマスク着用義務を5月3日まで延長する発表をしています。

AP通信によると、ホワイトハウスのコロナウィルス政策顧問は、CDCのロシェル・ワレンスキー所長の決断次第とする一方で、マスク着用義務を延長する選択肢もあると述べた。

米政府は、今年3月に新たな感染防止策を考える時間を確保するために、公共交通機関でのマスク着用義務を1ヶ月延長していた。

ただ、マスク義務化はさまざまな物議を醸している。機内での暴力的な事案の主な原因は、マスク着用に関するものだからだ。

米議会交通委員会の共和党議員は、「(マスク着用義務化は)コロナが機内や公共交通機関のみに存在するという誤ったメッセージを伝えてきた」とする書簡をバイデン政権に送った。

一方、マサチューセッツ州ケンブリッジにあるニューイングランド複雑系研究所の疫学者エリック・フェイジェル・ディン氏は、義務化を解除すると、航空旅客と航空会社職員の間で感染は広がるだろうと考えている。

航空各社は、バイデン政権がマスク着用の義務化を決める数ヶ月前から、乗客に対して機内での着用を求めていた。財政的に厳しいなかでも、乗客に安心してもらうために、中央席を空席にするなどの感染対策にも取り組んでいた。

米国では、旅行者が戻ってきている。3月の航空機の利用者は1日200万人に急増した。フロンティア航空のバリー・ビッフルCEOは、「客室乗務員からマスク着用の義務化を撤廃するように頼まれている。毎日、機内ではマスクを巡る言い争いが起きており、客室乗務員にとっては危険な状況が続いている」と話している。

アメリカン航空、デルタ航空、ユナイテッド航空、サウスウエスト航空など航空会社10社の幹部は3月に、マスク着用の義務化と米国への出発前検査の廃止を求める書簡をバイデン大統領に送った。

航空アナリストのサバンティ・シス氏は、出発前検査の廃止について、リスクよりもメリットの方が大きく、航空会社は海外旅行の需要を拡大することができるだろうとしている。

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