知床遊覧船事故対策検討委員会、小型旅客船事業の安全運航へ、安全対策の中間報告を発表

国土交通省は、「知床遊覧船」(KAZU1:総トン数19トン)の沈没事故を踏まえた、有識者による「知床遊覧船事故対策検討委員会」の中間とりまとめをおこなった。

「事業者の安全管理体制」や「設備要件」など6つのテーマについて、小型旅客船の安全対策の実効性を念頭に、ハードとソフトの両面から検討したもの。中間とりまとめでは各対策について、(1)速やかに講ずべき事項、(2)今後速やかに具体化を図るべき事項、(3)引き続き検討すべき事項、の3つに整理し、公表した。

6つのテーマのうち、「設備要件の強化」では、荒天時でも乗り移り時の落水を防止する改良型救命いかだ・救命浮器の開発を推進し、一定の水温を下回る海域で救命設備として積付けを原則義務化することが示された。

また、「利用者保護・安全情報の提供」では先日、小型旅客船事業者に対し、利用者に対して公表すべき安全情報の内容や提供の方法について指針を発表しているが、さらに、利用者の評価による小型旅客船事業者の「評価・認定制度(マーク等)の創設」も盛り込んだ。

このほか、「事業者の安全管理体制の確保」では、管理者に対する試験制度の創設や講習の受講義務付け(資格更新制)、事業許可更新制度の創設などに加え、地域全体の安全レベルの向上を目的に、地域の事業者や関係者による「地域旅客船安全協会(仮称)」の設置も記載された。

最終とりまとめは、2022年内を予定。まだ、知床遊覧船の沈没事故の捜査は進行中であり、かつ、対策の更なる具体化が必要な部分もあることから、同委員会では引き続き、議論をおこなうとしている。

検討した6つのテーマの関係性を示したもの:中間とりまとめ(案)本文より

「知床遊覧船事故対策検討委員会」中間取りまとめ(案)概要(PDF:2154KB)  

「知床遊覧船事故対策検討委員会」中間取りまとめ(案)本文(PDF:4540KB)

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