NFTが利用されるのはメタバース世界か? 推進する75%の企業が同時進行、課題は「目的」や「人材」

PwCコンサルティング合同会社はこのほど、メタバースの利活用とともに、NFTのビジネス利用における現況についての調査結果を発表した。調査は7万2033社への予備調査を実施したうえで、メタバースに興味があり、かつNFTを認知している企業1085社を抽出して2022年3月10~18日に実施した。

これによると、NFTの事業化に取り組んでいる企業の4分の3が、同時にメタバースへの取り組みも行っていることが浮き彫りになり、NFTの事業化の出口を、NFTが利用・取引されるメタバース世界と捉え、その構築と併せて進めている各社の戦略が見えてきた。

NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)とは、ブロックチェーン技術を活用した改竄と複製が不可能なデジタルな証明書(トークン)。

メタバースに興味があり、かつNFTを認知している企業1085社のうち、NFTを自社ビジネスにとってのチャンスととらえている企業は82%。一方、NFTを脅威であると考える背景には「よく分からないから」といった意見も多かった。

NFTのビジネス活用を推進している企業は3割を超えており、その半数以上が実現時期として1年以内を目標としている。活用領域については、既存事業の延長線上で考えている企業が全体で68%と、新規事業の49%に比べて多いものの、マスコミや公共サービス、医療・福祉、自動車といった業界、またスタートアップ企業のような小規模ではあるがアジリティの高い組織においては、新規事業創出への期待が高い傾向にある。

NFT案件を進行中もしくは予算化済みであると答えた企業の4分の3が、既にメタバース案件も進行中。デジタル資産が存在するメタバース世界の構築と併せてNFTビジネスを展開しようとしている企業が多いことがうかがえる。

もっとも、NFTを認知している企業のうち、具体的な案件を進行中もしくは予算化済みであると答えた企業は7%にとどまった。活用にとても関心があると答えている企業群に注目すると、4分の3の企業はとても関心がありながら行動を起こせていない。

NFT活用に関する課題は「導入する目的の明確化(37.8%)」「人材の育成(37.3%)」「関連技術の習得や選択(36.7%)」と多岐にわたるが、同社は「既に実装に向けて動き始めている企業も多い中、法規制は主要な阻害要因とはみなされておらず、法規制上の課題の重要性について十分な認知がされていない懸念がある」と指摘している。

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…