米国政府は、航空運賃について、消費者が航空券を購入する前に手荷物料金や変更手数料を含めた最終料金を確認できるようにする新しい規制を発表した。高いインフレ率が続くなか、航空運賃の透明性を高めることで、消費者の節約志向に応えるとともに、航空会社間の競争を促していく。
この要件は、航空会社による直販だけでなく、オンライン旅行会社(OTA)などでの販売時にも適用される。
ジョー・バイデン大統領は2022年9月26日(現地時間)、今回の規則について、「消費者は航空運賃を比較する場合、事前にすべての費用を把握しておくべき。今回の規制は、最良のチケットを選ぶのに役立つ」と述べた。
米運輸省によると、米国の航空会社は昨年、手荷物料金で約53億ドル(約7600億円)、キャンセル料と変更料金で約7億ドル(約1000億円)を稼いだ。このほか、足元の広い座席の販売やその他の特典などさまざまな付帯サービスに対して課金している。
フライトを変更またはキャンセルしたりする場合、料金は航空会社によって大きく異なり、購入後にチケットの価格に数百ドルが追加される事態も出ているという。
今回の規制は、オバマ政権のもとで提案されたものの、航空会社から多額の費用がかかるとの訴えが出たことから、トランプ大統領が破棄した。この規制が運用されるまでには、60日間のパブリックコメント期間が設けられるが、航空会社は反発している。
米国最大の航空会社団体エアラインズ・フォー・アメリカは、航空会社はすでにさまざまな条件や国内往復航空券の20%以上を占める税金や手数料を含めた総運賃は開示されていると話す。
一方、米運輸省は、航空会社の責任でフライトが遅延あるいはキャンセルされた場合に航空会社が提供する補償について、情報提供を始めた。この施策に従って、航空会社はホテルや食事の費用を負担する際の規定を更新するようになっている。
※ドル円換算は1ドル144円でトラベルボイス編集部が算出