エクスペディア、最新旅行トレンドを発表、世界で人気の旅行先3位に東京、ストリーミング視聴による旅行先決定も増加

エクスペディアは、2023年の旅行者動向に関する調査結果をまとめ、今後の旅行トレンドを明らかにした。この調査は、日本を含む17地域の2万4000人の旅行者と旅行業専門家を対象にした調査と同社のデータを求めにまとめたもの。

エクスペディアグループ・リテール日本統括ディレクターの木村奈津子氏は「コロナ禍によって世界では『ニューノーマル』という旅行スタイルが現れたが、行動緩和の緩和によって、来年以降は型にハマらない自由な旅行が好まれるようになる」として、その新しいトレンドを「ノーノーマル」と定義した。

コロナ禍では自然豊かな地域への旅行が好まれていたが、来年にかけて大都市の人気が高まっているという。調査結果によると、世界で人気の旅行先トップはスコットランドのエジンバラ。東京は第3位に入った。この他、ニューヨーク、ドバイ、モントリオールなどがトップ10に入っている。

日本における2022年第3四半期の海外旅行検索・予約ランキングを見ると、検索トップはホノルル。以下、バンコク、ソウル、シンガポール、ロサンゼルス。パリと続く。予約件数を見ると、ソウル、バンコク、韓国(ソウル以外)がトップ3となり、アジアでは検索がそのまま予約につながっている傾向が明らかになった。木村氏によると、海外旅行予約は年初の約9倍に増加しているという。

また、直近の2022年10月を見ると、検索トップ3はソウル、バンコク、ホノルルとなっているが、台北が5位に急上昇。1月から10月にかけて約6.5倍、9月から10月にかけては約2倍に増加し、台湾での水際対策の大幅緩和の効果が如実に表れる結果となっている。

木村氏は、「円安が続く中でも、台湾、韓国、タイなどではLCCを利用し、旅行コストを下げようとするトレンドが見えている」と分析する。

ストリーミングやコスパ重視、新たなウェルネスなどの潮流も

一方、調査結果から「ノーノーマル」旅行が好まれる背景も見えてきたという。旅行先を選ぶうえで影響を受けたものでは、ストリミーングサービス(15%)がソーシャルメディア(11%)を上回った。日本では、44%の旅行者がストリミーングサービスで見た番組の影響で旅行先を検討したことがあり、そのうち36%が実際に予約を行った。選ばれた旅行先には、日本国内のほか、ハワイ、パリ、イタリア、オーストラリアなどが入っているという。

報道資料よりまた、世界ではコストパフォーマンスを重視する傾向が強まり、日本ではその割合は55%と半数を超えた。エクスペディアグループのホテルズ・ドットコムの調査では、日本の旅行者の54%が「2023年は1~3つ星ホテルを利用する予定」と回答。34%が「アメニティや無料朝食などのサービス付きプランを予約する」と答えた。さらに、15%が「1、2回の豪華な旅行をするよりも、安価なホテルを選んで旅行回数を増やす」と答えた。

調査結果からは、コロナ禍を経て注目が集まるウェルネスでも変化が伺えた。日本人旅行者の33%はウェルネストラベルに前向きだが、ミレニアル世代では、約半数の49%が「新たなウェルネストラベルの楽しみ方を模索している」と回答した。

木村氏は、来年に向けた取り組みとして「ノーノーマルに向けてさらにニーズが多様化していくだろう。商品の提示だけでなく、コンテンツの紹介をパートナーとの協力で発信していきたい」と説明した。

このほか、世界の旅行専門家への調査では、レジャー旅行で71%、ビジネス旅行で70%が、2年以内に2020年以前の水準に戻ると予想。また、2023年に注力すべき分野としてサステナビリティを挙げる旅行関連企業も多く、日本では26%が2023年にサステナビリティ分野に投資する予定と回答した。

韓国、台湾、入国規制緩和で日本人旅行者復活間近

記者発表には韓国観光公社東京支社の大木沙那氏と台湾観光局東京事務所の陳淑華氏も登壇し、それぞれ現状と今後の訴求ポイントを説明した。

大木氏は、韓国では10月からビザなしでの入国が可能になった一方、K-ETAの取得と健康証明としてQコードの登録が必要なことを説明。今後、日本からの渡航者が増えると予想されることから、ソウルや釜山の新しい観光スポットの訴求を強めていくほか、BTSの聖地巡礼として京畿道、全羅北道、江原道など地方への誘客を進めていく考えを示した。

また、台湾では9月29日に日本人のノービザ入国が可能になり、10月13日から隔離義務も解除。早ければ11月下旬にはマスク義務も解除される見込みだという。ただ、入国後7日間の自主管理は継続。到着日と3日目で陰性が出れば自由な観光が可能になるが、検査結果の報告義務はない。

陳氏は来年2月5日から19日かけて開催される「台北ランタンフェスティバル」を紹介し、日本市場復活の起爆剤にしていきたい考えを示した。また、グリーンツーリズムとして、郊外や地方でのハイキングやサイクリングなどのアクティビティなども積極的に紹介していくとした。

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