旅行テックの国際会議「TIS2022」、タビナカ予約の間際化、サステナブル旅行の理想と現実の乖離、など最新トレンド分析をまとめた

スペインのセビリアで2022年11月初旬に国際会議&見本市、ツーリズム・イノベーション・サミット(TIS)2022が開催された。そこでは、パンデミックからの回復状況やサステナブルな旅行に関する実態まで、旅行ビジネスの意思決定に欠かせない様々なマーケット調査やトレンド分析が議論された。

TISは、旅行・観光テクノロジーとイノベーションに特化した国際会議で、今回が3回目。以下、キーパーソンが語った最新動向をまとめた。

「パンデミック後のツーリズム」予想は?

観光産業ニュース「スキフト(Skift)」リサーチ担当ディレクター、ヴォウター・ギーツ氏によると、旅行・観光産業の現状はパンデミック前の2019年比で86%とまだ回復途上にあるものの、国による差も大きく、例えばトルコの場合、すでにパンデミック前を超える需要増に沸いている。

また旅行目的による差も見られ、「レジャー旅行の回復は、ビジネス旅行よりもずっと力強く、完全回復も近い。とはいえ、その牽引役は圧倒的に国内旅行。特にスペインのように、パンデミック以前は海外客中心だったマーケットでは客層や流通などに変化が起きている」(ギーツ氏)。

ただし、不況への懸念や、激しいインフレが今後、需要回復の足かせになる懸念も。「パンデミックから学んだ通り、成長も完全回復も決して当たり前ではなく、またいつ何が起きるか分からない。今は旺盛な需要が、来年には景気や物価高騰による影響で弱まる可能性もある」と同氏は話した。

タビナカメディアを運営するARIVAL(アライバル)の共同創業者兼CEO(最高経営責任者)ダグラス・クインビー氏は、同社が世界の旅行者1万人を対象に実施した調査結果をもとに、現地ツアーや体験、観光アトラクションのトレンドを紹介。「数年前にはあったオールインクルーシブ型の大型団体旅行が激減し、少人数グループで、パーソナライズされた体験を探す旅行がマーケットの主役になっている」との見方を示した。

予約手法では、モバイル経由で、間際に予約するケースが増加。また若年層の特徴として「Z世代とミレニアルズの58%は、モノよりも体験を重視している。訪問先を探したり、決めたりするツールは、TikTokやインスタグラムなどのSNS」と話した。

観光調査会社フォーカスライトの欧州中東アフリカ担当マーケットアナリスト、クリスティーナ・ポロ氏は、こうした旅行者の変化に対応するために、旅行産業は「コンタクトレス」だけではなく、「スムーズな顧客体験(フリクションレス)」な旅の実現にもっと取り組む必要があるとの考えだ。一方、ヨーロッパの旅行者は、一般的にはサステナビリティに対する意識が高いものの、その実態に関する興味深い調査結果にも言及。ルフトハンザ航空と旅行アプリ「ホッパー(Hopper)」による調査では、回答者の73%が「よりサステナブルな選択肢には、より多くの対価を払いたい」と答えたものの、実際に払った人はわずか1%だったという。

TIS2022では、世界各地から参加した400人以上のスピーカーが登壇したほか、会期中には6000人以上の旅行関係者がセビリアを訪れた。出展企業は150社以上となり、アクセンチュア、アマデウス、EY、マスターカード他多数が、ツーリズム向けの最新ソリューション技術を披露した。

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