高級ブランド「フェラガモ」がミラノに新ホテル開業、ライバルとは一線画す、その戦略とは? 【外電】

2022年12月1日、イタリア・ミラノのファッション地区の中心に「ポートレート・ミラノ」ホテルがオープンした。全73室のこのホテルは、イタリアのファッションブランドのサルヴァトーレ・フェラガモが設立したブティックホテルグループ「ルンガノ・ コレクション」に属する。

ルンガルノのCEOであるヴァレリアーノ・アントニオーリ氏は、「ポートレート・ミラノ」をフェラガモのブランド力を広めるものではないとしている。

「ホテルをファッション・ブランドの拡大の機会として利用することは非常に難しい。ファッションは非常に不安定。ファッションの世界では、半年ごとに靴や服を変える必要があるが、ホテルの世界ではカーテンを20年間維持しなければならない」と話す。

ブルガリやアルマーニなどの他の高級ブランドは、運営するホテルでも自社のブランドを全面に出しているが、フェラガモは別の方法でホテルを運営する。アントニオーリ氏は「これまでのところ、ホテルでブランド力拡大に成功した人はファッション業界にはいない」と話す。

ブルガリは、マリオットとのパートナーシップで、2026年までに高級ホテルを2倍に増やし、そのホテルデザインと同社のジュエリー ブランドを結びつける計画を立てている。ジョルジオ・アルマーニは今年、サウジアラビアでのホテル計画を拡大すると発表した。

一方、フェラガモの「ポートレート・ミラノ」のコンセプトは「超オーダーメイドのおもてなし」だ。多様なサービスの提供ではなく、高度にパーソナライズされたサービス。このコンセプトは、フェラガモがフィレンツェで過ごしていた時代 、有名人に寄り添いながら足にぴったり合う靴を作っていた靴職人の考えに影響を受けている。

「ポートレート・ミラノ」は、1564年に建てられた旧神学校の中にある。敷地内には広場があり、ファッション関連のイベントやパーティーに使われることもあるだろう。

ルンガルノ・コレクションは現在、「ポートレート・シリーズ」をミラノの他に、フィレンチェとローマで運営している。アントニオーリ氏は、次の候補地を探しているという。イタリア以外の都市にも目を向けているようだ。

アントニオーリ氏は「ポートレートは、その街の観光スポットに徒歩で行ける場所にあることが大切。 街の中心こそがポートレートになる」と話している。

※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(skift)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいてトラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事: Don’t Call Milan’s Newest Luxury Hotel a Ferragamo Brand Extension

著者:Leslie Barrie氏


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