欧州全体の旅行価格が下落し始めているというデータが発表された。スペインの旅行代理店「TravelPerk」のデータによると、2022年に入って初めて航空・ホテルともに価格の低下がみられ、第3四半期に米国で見られた下落に追いついた。10月と11月の2ヶ月の世界の旅行インフレ率は第3四半期と比較してマイナス8%になっているという。
同社のデータによると、欧州全体の航空券価格の下落率は11%、最も減少が大きいのは英国で、欧州全体の値下がり率トップ10の航空路線のうち9路線がロンドン発着。ロンドン/ミュンヘン線は第4四半期で最大38%減、ロンドン/ブタペスト線は29%下落した。第3四半期では、英国の航空運賃は前年比で96%も高くなっていた。
ただし、市場の不安定な状況は続くと予想されることから、旅行バイヤーや旅行会社は、長期的な契約には慎重な姿勢を崩していない。2023年1月には大幅な反動があり、それが夏まで続くとする観測もある。
宿泊施設に関しては、欧州全体で第4四半期で前年同期比7%減。スペインが最も下落率が高く10%。それでも平均価格は2021年の水準を上回っている。
グローバル・ビジネス・トラベル・アソシエーション(GBTA)の元会長は、「旅行のバイヤーとサプライヤーは、価格は短期的に変動することが当たり前だということを理解する必要がある」と話している。また、業務渡航系旅行会社は「今後数年の間、短期的な価格調整の件数は前例のない数にのぼるだろう」と予測したうえで、「契約と価格設定にはもっと柔軟性が必要になってくる」との見解を示した。
※編集部注:この記事は、米・観光専門ニュースメディア「スキフト(skift)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいてトラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事: Europe’s Travel Prices Are Finally Falling — What Travel Buyers Are Doing
著者:Matthew Parsons氏