タビナカの国際会議を主催する「Arival (アライバル)」が米ラスベガスでイベント「Arival 360」を開催した。そこにグーグル・トラベルのプロダクト・マネージング・ディレクターであるエマニュエル・マロット氏が登壇し、グーグル・トラベルの新機能や今後の計画について説明した。
グーグルが提供するタビナカ検索「Things to do」は、さまざまな憶測を呼んでいる。グーグルはOTAになるのではないか、検索結果ランキングはどのように決められるのか、無料掲載できるリンク表示は続くのかなど。注目が集まるグーグルの動向について、Arivalのダグラス・キュインビーCEOがマロット氏にインタビューし、8つの疑問を明らかにした。
1. グーグルはOTAになるのか?
「そのような考えを持ったことは一度もない」とマロット氏。グーグルのビジネスモデルは、情報を提供し、パートナーによる広告で適切なビジネスを構築すること。代理店になる気は全くないと話した。
2. ツアーやアクティビティのオペレーター向けサービスは?
2021年9月のサービス開始以来、「Things to do」ではアトラクションを扱い、オペレーターのウェブサイトやOTAなどから入手できるチケットへのリンクを提供してきたが、「今後数ヶ月以内」(マロット氏)に、ツアーやアクティビティのオペレーターもリストに加える予定であることを明らかにした。これまでは、ツアーの一部に特定の名所が含まれている場合のみ、「Things to do」にツアーが掲載された。
3.「Things to do」の検索結果順位はどのように決まる?
価格も重要な要素だが、チケット・ランキング(アトラクションオペレーターのチケットが、OTAやその他の第三者の販売と比べてどれくらい上位に表示されるか)には、他の要素も含まれる。マロット氏は「例えば、ビジネスプロフィールを申請した人が公式バッジを持っていれば、ランキングを上げる可能性が非常に高い」と明かした。
4.「Things to do」はさらに発展していく?
「正直なところ、Things to doは、まだ若いプロダクト」とマロット氏。まだ色々な部分が不足しているとの認識を示した。Things to doが取り扱うタビナカ商品の予約領域が複雑であることに驚いており、さらに市場の特性に適応させていく必要があることを認めた。
5. OCTOとの接続は?
OCTOとは、ツアー、アクティビティ、アトラクション業界における技術的な接続基準を提唱する非営利団体。オペレーター、予約テクノロジー、チケットシステムプロバイダー、チケット再販業者、OTA間のオンライン予約接続を確立している。マロット氏は「現時点では、考えるのは早いと思うが、タビナカ予約が複雑なことを考えると、より簡単に、より効率的な予約を進めるためには、OCTOのようなイニシアティブは役に立つ」との考えを示した。
6.今後、セルフ編集ツールはどうなる?
セルフ編集ツールを使用すると、オペレーターはチケットのリストを管理することができる。チケット販売業者向けのツールにはまだ多くの制限があるが、グーグルとしては、よりシンプルなツールにしたい考え。今後、たとえば、週に複数回価格を更新したい、OTAに加えてグーグルにも掲載したい、より高度なデータにアクセスしたい、リスティングに問題が生じた時の注意喚起が欲しい、「Things to do」内に広告を掲載したい、そういった希望に応えていきたいが、「まだ道半ば」と話した。
現在、「Google Things to do Ads」 モジュールには、接続パートナーを介してのみアクセスすることが可能だという。
7.動画検索は導入するのか?
マロット氏は「ユーザーは、より視覚的なコンテンツを求めている」と話し、動画のランクが高くなる傾向にあると明かした。そのうえで、グーグルとしても、検索結果ページをより視覚的にする取り組みを進めているとした。旅行先の動画を見た後に、検索するユーザーが増えていることから、「検索ベージで動画を提供することで、検索によりアクセスしやすいようにしていきたい」と話した。
8.「Things to do」の無料リンクは継続される?
「いつでも無料。それが、グーグル検索エンジンのDNAで成功の元」とマロット氏は強調した。
アライバルのイベント「Arival 360」でのマロット氏のスピーチの様子は下記の動画から参照できる。
※この記事は、Arival(アライバル)社が運営するニュースメディアから届いた以下の英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事:GOOGLE’S PLANS FOR THINGS TO DO
著者:Arival Editor, Janelle Visser