総務省統計局はこのほど、2021年社会生活基本調査のうち、テレワーク(在宅勤務)による「1日の生活時間の配分」の変化に着目した結果を公表した。
調査時期は2021年10月16~24日で、新型コロナウイルス感染症の第5波拡大を受けた緊急事態宣言、まん延防止等重点措置などが9月末をもって全地域で終了し、解除された直後。1年前の時点で、三密回避の日常化や数度の行動制限によって新しい生活様式が定着してきていることが浮き彫りになった。
総務省の調査によると、2021年10月に平日で仕事があった有業者(5286万7000人)のうち、テレワークで仕事していた人は354万2000人で全体の6.7%だった。およそ15人に1人がテレワークをしていたといえる。
では、テレワークをしていた人と、していなかった人の生活時間は変わったのだろうか。生活時間の配分をみると、テレワークをしていた人は、していなかった人に比べ、25~34歳、45~54歳で睡眠時間が最も長くなっている一方、35~44歳では睡眠時間はほぼ変わることがなく、代わりに育児時間が最も長くなった。
また、25~54歳は、テレワークをしていた人が長くなった行動の種類の上位3位までに、食事時間、趣味・娯楽の時間が入った。趣味・娯楽の時間、学習・自己啓発の時間が増え、年齢階級が低くなるにつれて、その幅は大きくなる傾向もある。
今回の調査からは、テレワークによって通勤時間が短縮されたことにより、さまざまな行動変容が起きているが、ライフステージに応じて「1人の生活時間の配分」が大きく異なっていることが見てとれる。子育て世代の多くが、通勤時間が減少した分を育児時間に充てている一方で、若者は趣味娯楽だけでなく、学習・自己啓発といった行動にも積極的になっていることが如実に表れている。