東武鉄道の新型特急「スペーシアX」が今夏デビュー、担当者が語る車両の特徴や日光・鬼怒川への新時代の旅とは?(PR)

東武鉄道は、2023年7月15日に特急スペーシアの新型車両(N100系)「SPACIA X(スペーシア エックス)」の運行を開始する。従来の特急スペーシアが大きく進化。エクステリアもインテリアも伝統と革新のデザインでアップグレードさせた。新たなフラッグシップ特急の登場で、ワンランク上の日光・鬼怒川エリアへの旅が実現する。

この新生「スペーシアX」に込めた思いやこだわりとは? 開発の舞台裏や車両の特徴を東武鉄道担当者に聞いてみた。

スペーシアXを新しい日光・鬼怒川の「顔」に

東武鉄道の日光線が開業したのは1929年10月。長い歴史のなかで、時代に合わせて特急輸送も進化してきた。1960年には1720系デラックスロマンスカーが登場し、日光線の特急として礎を築いた。その理念を受け継いだ100系スペーシアは1990年にデビューした。

近年では、2017年から日光・鬼怒川エリアでSL事業を展開。さらに環境配慮型・観光MaaS「NIKKO MaaS」の導入、特急のカーボンニュートラル運行の計画など、先を見据えた取り組みも積極的に進めている。

そのような日光線の新時代への進化の系譜の中で「スペーシアX」がデビューする。東武鉄道車両部車両企画課課員の岡田敏英氏は「環境配慮や新たな生活スタイルなどの技術や考え方を取り入れた新型特急車両を導入することで、東武の新しい日光・鬼怒川の『顔』として話題を喚起して、日光・鬼怒川エリアを国際エコリゾートにしていきたい」と話し、新型車両導入の背景を説明する。また、復活が期待されるインバウンド市場への訴求も強めていきたい考えだ。

写真左:車両部車両企画課課員 岡田敏英氏、右:営業部営業企画推進課主任 海老原健吾氏

鹿沼組子の籠目をイメージしたエクステリア

スペーシアXの「X」には、新型車両での旅体験「Experience」、旅行者に提供する価値として「Excellent」「Extra」「Exciting」「Extreme」「Exceed」、文化や人々の交流を表すCross(=X)のほか、未知(X)の可能性の意味も込めた。岡田氏は「より上質なフラッグシップ特急として『進化したスペーシア』を端的に表現した」と話す。「X」の書体デザインは、地域を意識し、栃木県の伝統工芸品に指定されている鹿沼組子をイメージした。

白と黒の2色で落ち着きのある美しさを表現したエクステリア

スペーシアXには、エクステリアにもインテリアにも、旅の「非日常」を感じさせるこだわりが詰まっている。コンセプトは「Connect and Updatable」。「初めて見た」という斬新さと、長年愛されてきた「馴染み」のあるフォルムを踏襲し、「車両に出会った瞬間、一気に気持ちが日光にコネクトするようなデザイン」(岡田氏)を採用した。

デザインは、ロゴと同様に鹿沼組子の籠目をイメージ。車体色は白と黒の2色にした。白は、日光東照宮の柱に塗られた「胡粉」を想起させ、落ち着きのある高貴な美しさを表現。グラフィックは正反対の純黒にした。岡田氏は「車内に入ったとき、さまざまな色が目に入ってくるように、あえて外観はシンプルにした」とその狙いを説明する。

車両ごとに趣向を凝らしたインテリア

インテリアは車両ごとに趣を変えて、乗客を飽きさせない工夫を凝らした。最後尾の6号車には最上級のシート「コックピットスイート」。前方と側面の窓から展望が広がり、贅沢な旅のひと時を楽しめる。私鉄特急最大の空間を持つ個室は、最大7人まで利用することが可能だ。

「走るスイートルーム」をコンセプトとした6号車のコックピットスイート。ソファーは自由に動かすことができる

1号車の「コックピットラウンジ」は、現存する日本最古のリゾートホテル「日光金谷ホテル」や日光の大使館別荘をモチーフに気品のある落ち着いた雰囲気の空間を創出している。4人、2人、1人掛けの各種ソファー席を配置。さまざまなグループに対応する。また、カフェカウンターを設置し、クラフトビールやクラフト珈琲、アペタイザーなどを用意する。

4人、2人、1人掛けのソファー席を備えた1号車のコックピットラウンジ

1号車のカフェカウンターでは、地元事業者と協業したクラフトビールやクラフト珈琲を提供

2号車には、東武鉄道初となる後部座席を気にすることなく電動リクライニングができるバックシェル構造を採用したプレミアムシートを設置。窓際の1列設定の席は、一人旅にもおすすめだ。

2号車のプレミアムシート。シートの配色は、四十八茶百鼠のグレーと日本の伝統色から金茶色をアクセントに

5号車には「ボックスシート」。向かい合う2シートの半個室をパーテーションで遮っているため、周囲が気になるテレワークや小さな子供連れなどに利用価値が高い。

6号車には完全個室の「コンパートメント」。伝統的なスペーシアのコンパートメントをコの字型にアップデートし、テーブルを折りたたみ式にするなど、居住性をさらに高めた。プライベートな空間で非日常の旅を体験することができる。

3、4、5号車に配されているスタンダードシートは、一般的な2+2のシート配置だが、シート1列に対して1つの個窓を配しているため開放感があり、流れる車窓を満喫することができる。また、小テーブルのほか、コンセントを設置するなど移動中の機能性も高めた。

5号車のボックスシート。シートの横幅は約80cmとゆとりのあるシートとなっている

6号車のコンパートメント。完全個室の空間は、乳幼児連れの旅行や特別な旅のプレゼントにも最適

3、4、5号車のスタンダードシート。シートピッチは従来のスペーシアと同じ110cmとゆったり座れるシートとなっている

東武鉄道営業部営業企画推進課主任の海老原健吾氏は「はじめて東武線を乗る人でも、いつも利用している人でも、スペーシアXでは新しい発見やいつもとは違った景色を堪能できる」と自信を示す。

地域活性化や環境への配慮も重視

スペーシアXでは、日光をはじめとした沿線地域を盛り上げるために、さまざまな地元事業者と連携する。車内で提供されるクラフトビールやクラフト珈琲のほか、食体験コンテンツも新たに開発する。海老原氏は「食の開発に協力いただく事業者は、『ものづくり』に対して非常に熱い想いを持っている。商品ひとつひとつに込められたこだわりが、旅行者の感動体験となり、沿線の食や人へ興味を持っていただければ」と話す。

東武鉄道では、車内で販売した売上の一部を環境保全などの地域づくりに活かす仕組みを構築する計画。購入者と販売者という一時的な関係性ではなく、「利用者は日光の未来を支援する関係者の一人」という新しい関係性を生みだし、沿線の食・食文化のブランド化を進めていく考えだ。

さらに、サステナビリティの取り組みも重視。スペーシアXではモーター性能を向上させることで、現行の100系スペーシアに比べて、最大40%のCO2排出量削減を実現。歴史、文化、伝統と自然が共存する国際エコリゾートを目指す日光・鬼怒川エリアを結ぶ特急として、その意義を高める。

環境負荷の低減を重要課題に位置付けている東武鉄道はすでに、浅草~日光・鬼怒川エリアで運行している特急列車、東武日光線下今市~東武日光間、東武鬼怒川線下今市~新藤原間で運行する電車、同エリア内の駅・施設などで使用する電力相当についてCO2排出量実質「ゼロ」になる電力に置き換えているが、スペーシアXも同社の環境戦略において重要な役割を担うことになる。

スペーシアXの旅で「自分だけの日光」を

海老原氏は、スペーシアXの旅で「単なる観光だけではなく、旅を通じて何かを感じたり、新たな発見や知識、趣味などが見つかるようなプランを見つけて欲しい」と話す。一方、旅行会社に向けては、今までにない、旅行者が「自分だけの日光」を見つけられるようなツアープランの造成を呼びかける。

東武鉄道は、バリエーション豊富な座席からグループ利用や一人旅まで様々な旅行の提案や、既存の観光地への旅行という枠にとらわれることなく、沿線の観光資源を掘り起こし、地域事業者と協業した新しい旅行やライフスタイルの提供を今後もおこなっていく考えだ。

「旅から帰ってきた後もずっと続くものを探せるようなきっかけを、スペーシアXで提供していきたい」と海老原氏。今夏、スペーシアXの登場で日光・鬼怒川への旅の新時代が幕を開ける。

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東武鉄道特急「スペーシアX」特設サイト

記事:トラベルボイス企画部

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