東南アジアで配車サービスやフードデリバリーなど各種サービスを搭載したスーパーアプリとして展開するGrab (グラブ)は、日本人旅行者の増加を見据えて、日本語版アプリの提供を始めた。加えて、中国語と韓国語のアプリもリリースした。
グラブによると、グラブアプリの利用者の3分の2が旅行前に自国でアプリをダウンロードするという。このことから、東南アジアへの外国人旅行者に対して、事前にアプリ内で提供されているコンテンツやサービスを知ってもらうために多言語化を進めた。
2022年に東南アジアを訪れた外国人旅行者は、前年比1706%増と急回復。グラブアプリの利用者も増えており、2022年1月から12月にかけて、空港送迎の利用者は3倍に増加したという。現在、グラブアプリ利用者の半数以上が東南アジア域内からの旅行者。国際市場では北米、オーストラリア、中国、韓国が多い。
また、2023年後半には、インドネシア、ベトナム、タイの主要都市における店舗の商品説明を英語化する作業を進める。
さらに、ライドシェアの乗り場を画像で案内する「Venues」機能を実装。東南アジアの主要空港のほか、モール、ホテル、オフィスビル、公園などで4000ヶ所以上で提供する。この中には、シンガポール動物園、パタヤの水上マーケット、ジャカルタの国立記念碑なども含まれる。
旅行者が希望する通貨での運賃を自動表示する機能も2023年後半に実装する。
このほか、サブスクリプションサービス「GrabUnlimited」もアップグレード。購入者は、東南アジアの89空港で割引料金が利用できるようになった。
グラブは、旅行者が使い慣れたアプリでもライドシェアサービスが利用できるように、他社プラットフォームとの連携を進めている。現在、WeChat、AliPay、Ctrip、Kakao T、ブッキングドットコムのアプリ上で利用が可能になっている。
グラブは2012年に設立、ライドシェアのほか、配送サービス、eコマース、デジタルファイナンスなどを、カンボジア、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムで展開している。