日本政府観光局(JNTO)は、2023年度から2025年度を対象とする「訪日マーケティング戦略」を策定し発表した。3月に策定された「観光立国推進基本計画」で掲げた訪日外国人旅行消費額5兆円(消費額単価20万円/人)、訪日外国人旅行者一人当たり地方部宿泊数2泊、訪日外国人旅行者数の早期での2019年水準超えへの政府目標の達成を目指す。
訪日マーケティング戦略は、持続可能な観光を念頭に、「市場別戦略」「高付加価値旅行やアドベンチャートラベル(AT)及び大阪・関西万博に関する市場横断戦略」「MICE戦略」の3部構成。
市場別戦略では、各市場から旅行消費単価や地方訪問意向が高いターゲットなどを選定し、各ターゲットの興味関心に応じたプロモーションの訴求テーマ・観光コンテンツをまとめた。併せて、各ターゲットの接触メディアや旅行予約方法を踏まえた効果的なプロモーション手法も優先順位をつける。
市場横断戦略では、高付加価値旅行の誘致に向けて、訪日旅行1回あたりの総消費額100万円/人以上の旅行者をターゲットとし、国内関係者のネットワーク化、サービス内容の収集、セールスの強化などを進める。ATでは、欧米豪のAT関心層を対象に、「Adventure Travel Trade Association(ATTA)」と連携しつつ、日本各地での取組みの支援、誘客促進を目指す。さらに、大阪・関西万博に向けては、万博開催の機運醸成を推進しつつ、万博を契機とした地方誘客を推進していく。
MICE戦略では、「観光立国推進基本計画」に加えて、今年5月に策定された「新時代のインバウンド拡大アクションプラン」を踏まえたうえで、大阪・関西万博やポストコロナの新しいニーズに応じた国際会議・インセンティブ旅行の誘致に取り組む。
このほか、持続可能な観光(サステナブル・ツーリズム)も推進。地域の環境・文化・経済の持続可能性(サステナビリティ)を高める取り組みを進め、日本の持続可能な観光の国際的プレゼンスを強化。環境に配慮したプロモーション活動を推進していく。