ハワイファン1.2万人が東京に集結、4年ぶりの「ハワイエキスポ」の舞台裏を取材した(PR)

ハワイ州観光局(HTJ)は2023年5月27日と28日、東京の渋谷ヒカリエで「HAWAI'I EXPO 2023(ハワイエキスポ2023)」を開催した。同イベントは、消費者向けに2015年に開始。日本に居ながらにして、ハワイの文化やアロハスピリットを体感できるイベントとして人気が高い。

コロナ禍を経て4年ぶりの開催となった今年は、ハワイを思いやる心を意味する「マラマハワイ」をスローガンに掲げて推進しているレスポンシブルツーリズム(責任ある観光)と再生型観光の要素を盛り込んだのもポイント。海外旅行再開の機運が高まる中、2日間で1万人以上が来場し、大盛況となった同イベントを取材した。

音楽、フラ、風景、食 ――これぞハワイ!の多彩なコンテンツ

日本で、久しぶりにハワイの観光に触れられる機会となった「ハワイエキスポ2023」。HTJは、「Feel Beautiful Hawai‘i(美しいハワイを感じる)」をコンセプトに、多彩なコンテンツを用意した。ホテル、航空会社、旅行会社、アトラクション、ウェディング、レンタカーなど、53社のハワイ関連企業も集結し、出展ブースで最新情報を提供した。

HTJ局長のミツエ・ヴァーレイ氏は「現地では日本マーケットの復活を待ち望む声が高く、レスポンシブルツーリズムでも日本が主要なマーケットになると考えている。今回のエキスポにかける期待は非常に大きい」と話す。だからこそ、あらゆる業種のハワイ関連会社が、消費者と直接話す機会として出展を望み、来日した。

ヴァーレイ氏は、イベント出展への感謝を述べるとともに、ハワイの観光業界と一丸となって、日本マーケットのリカバリーに取り組んでいることを強調。「5月にコロナが日本の感染症法上の分類で5類に移行となり、リカバリーには今が非常に重要な時期。新しい広告キャンペーンの展開や、航空・旅行業界などステークホルダーと一丸となった活動を継続し、海外旅行に慎重になっている層の背中を押していきたい」と力を込めた。

HTJ局長のミツエ・ヴァーレイ氏

その先陣を切るイベントとなるのが、今年のハワイエキスポだ。ヴァーレイ氏は「4年ぶりの開催となる今回は、来場者の皆さんが持っているハワイの思い出を復活させ、ハワイに行きたくなるコンテンツを提供し、旅行促進に繋げることが最大の目的。エンターテインメントをはじめとするコンテンツ作りやプロジェクションのビジュアル作りには非常に時間をかけた」と説明。

特筆すべきは、豪華アーティストが勢ぞろいしたステージだ。ハワイのトップ・エンターテイナーであるロバート・カジメロやニナ・ケアリイヴァハマナが登場し、会場は一瞬にしてハワイにいるかのような雰囲気に。美しいハーモニーで人気を集めるトリオバンドの「ケアウホウ」、今年4年ぶりに開催された第60回メリーモナークフェスティバルで優勝したミス・アロハ・フラ2023年のアグネス・スロナス・ブラウンも登場し、会場の喝采をあびた。また、ホノルルのウクレレスタジオ「ウクレレ・ハレ」のオーナーであるジョディ・カミサトと、ハワイ育ちのウクレレミュージシャンのホノカは、アップテンポな曲で会場を沸かせた。

ハワイのトップ・エンターテイナーのロバート・カジメロ氏のステージ

HTJのイベントでは、おなじみ。ジョディ・カミサトとホノカのウクレレ演奏

また今年は、「マラマハワイ」を全面に出したことも大きな特徴。ハワイの「マラマ」(ハワイ語で「思いやる心」の意)の精神と歴史や文化、自然の奥深さに触れてもらい、ハワイというデスティネーションの魅力の再発見を促した。

ハワイで暮らす人々にも思いを巡らせてもらうことを目的に、文化をテーマにしたコンテンツも提供。ハワイ語、ウクレレ、フラを学ぶワークショップや、ハワイアンクラフトを作るワークショップ、アロハプログラムのセミナーは満席で、総勢442名が参加した。

さらにステージでは連日、趣向を凝らしたショーやプログラムを開催。イベント初日の「ウェディングドレス・コレクション」では、ウェディング事業社4社が最新トレンドのドレスを各社の新入社員やモデルによるファッションショー形式で披露し、その華やかさはコロナ前の日常が戻ってきたことを強く印象付けた。

初企画の「現地から生中継!3島同時サンセットLIVE」では、ハワイ島とマウイ島、カウアイ島のカリスマガイドが現地からオンラインでライブ出演し、サンセットの様子を中継しながら、現地の魅力や最新情報を紹介。多くの観客がスクリーンに魅了され、渋谷で眺めるハワイの夕陽を大いに楽しんだ。

モチーフ・プランニング&イベントデザイン(タカミブライダル)、グッドラック・コーポレーション(アールイズ・ウェディング)、ベストブライダルリゾート、ワタベウエディングの4社が、最新の人気ドレスを披露

ハワイ島とマウイ島、カウアイ島のカリスマガイドがライブで出演し、現地の日没の様子を紹介

「マラマハワイ」を強く意識した運営体制

ハワイのムードを全面に演出しながらも、会場の設営や運営はマラマハワイを踏まえて環境に配慮した方法が取られた。会場内の装飾や印刷物の配布は極力削減。壁面にはハワイ関連の画像や草花のパターンを投影し、会場マップやイベント・スケジュールなどはデジタルパンフレットを用意した。好きなハワイの風景で現地にいるような写真が撮れるフォトブースや、観る人がハワイの情景に没入できるVRコンテンツの採用など、デジタルを活用しながら臨場感ある出展が目立ったのも特徴だ。

来場管理もデジタル化し、来場者にはHTJ公式LINEアカウントで事前登録と来場者アンケートも実施。事前登録なく来場しても、会場入口でQRコードから手続きができるようにした。HTJのミツエ・ヴァーレイ局長は「従来は入口の受付作業にも手間がかかり、その分、来場者をお待たせする時間が長くなったが、今回はデジタル化によってオペレーションやアンケート集計などが非常に楽になった」と話す。

さらに、新たな試みとして、参加費をハワイの自然保全や文化継承の活動に寄付する「BIGガチャコーナー」(1回500円)も企画。2日間で1000人以上の参加があり、寄付金はHTJ公式キャラクター「Shakaちゃん」グッズの売上金とあわせ、100万円以上になったという。

会場の入り口では6島のダイナミックなデジタル画像がお出迎え。来場者の感覚は一気にハワイモードに

出展者に聞く「マラマハワイ」の取り組み

ハワイ関連企業のブースでも、各社の最新情報や商品サービスにあわせ、「マラマポイント」として各社の「マラマハワイ」の取り組みが紹介された。

例えば、ハイアット・リゾーツ・ハワイでは2015年ごろには、客室にはペットボトルの水の代わりにウォーターボトルを置き、各フロアに設置した水のサーバーを利用できるようにするなど、早くから環境に配慮した活動をしてきた。ハイアット・リージェンシー・ワイキキ・リゾート&スパでは、海で拾ったプラスチックゴミをエコバックにする取り組みもおこなっている。

同社アジア太平洋地区営業本部長の武井浩幸氏は「ホテルでのマラマハワイの取り組みは、シーツやタオル交換の回数を減らしたり、アメニティの小型ボトルは詰め替えできる大型ボトルへの変更を検討するなど、サービスの品質とのバランスを取りながら、ハワイの考え方をお客様に正しく伝えることを意識したい」と話す。

また、ハワイのアクティビティ会社であるアンドユークリエーションズでは、マラマハワイを踏まえ、新たにオアフ島のワイメアバレーでのハイキングツアーを企画した。ハワイアンにとって神聖な場所を訪れるツアーで、古代ハワイのゲーム体験やハワイの文化を学ぶプログラムを加えた。

同社セールスマネージャーのトシオ・タケムラ氏は「ハワイの人にとってワイメアバレーは、日本人の伊勢参りのような大切な場所。そこでのツアーで自然に触れ、文化を学ぶことで、お客様が何かしらを感じてもらえたらうれしい」と話す。同社では、従来から環境や文化保護への意識は高く、イルカウォッチングツアーの最中も海の漂流物を回収したり、ツアーで利用するレストランには生分解性の皿や容器を支給するなどしてきたという。

出展者のブースでは、各社の「マラマハワイ」の取り組みを紹介

新広告キャンペーン「Beautiful Hawai‘i」への思い

HTJの新広告キャンペーン「Beautiful Hawai‘i」も、イベント前日に開催されたプレス内覧会で発表。「旅は、世界を美しくできる。」というコンセプトのもと、美しい自然や文化を通して人生を豊かにするハワイの魅力を、YouTube、Abema、Tverなどのオンラインメディアのほか、JR山手線や東急線の女性車両のデジタルプラットフォーム、ソーシャルメディアなどで大々的に展開していく。

この「Beautiful Hawai‘i」の動画は、日本マーケット用に制作した。世界に比べると、海外旅行へ踏み出す一歩が遅れている日本人に向け、ハワイ旅行のみならず、旅そのものの魅力を伝える内容としたのも特徴だ。

今後はオアフ、ハワイ、マウイ、カウアイの島ごとの魅力や、ウェディングやハネムーンなどのロマンスマーケット、ゴルフマーケットなど、各ターゲットにあわせた動画も発表する予定。ヴァーレイ氏は「マラマハワイの傘下のもと、日本人に伝わりやすい形で、マーケットに適したメッセージを発信していく。今年撮影したビジュアル素材も、各ターゲットに適した動画や画像で十分に用意している。旅行業界の方々に、共通のイメージを使っていただくことで盛り上げていきたい」と話す。


なお、ヴァーレイ氏によると、同イベントの開催地となった渋谷区とは将来的な友好都市提携も視野に入れ、様々なコラボレーションを検討中。渋谷区にはハワイ関連の飲食店やショップなどが多く、かねてからハワイ関連のイベントなどが多くおこなわれてきた。区内のビジョン広告の活用のほか、渋谷区のデジタル地域通貨「ハチポ」とのコラボなど、新たなアプローチとなるアイデアを模索している。

 

広告:ハワイ州観光局

お問い合わせ:

  • 一般のお客様:aloha@htjapan.jp
  • 業界関係者: info@htjapan.jp

記事:トラベルボイス企画部

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