ターキッシュ・エアラインズ会長が来日、日本路線を強化、今冬は成田線を毎日運航に、関西線も6年ぶりに再開へ

ターキッシュ・エアラインズは、コロナ後の需要回復を見据えて、日本路線を強化する。2023年夏期スケジュールでは、羽田/イスタンブール線で毎日運航するほか、成田/イスタンブール線では8月7日から週4便に増便するが、新たに今年12月15日から成田線を毎日運航に増便し、12月12日からは関西/イスタンブール線を週4便で約6年ぶりに再開する。これにより、日本路線は週2400席が追加されることになる。

このほど来日した同航空のアフメット・ボラット会長兼執行委員は、記者会見で「日本からの旅行者を増やしていきたい」と意欲を示した。コロナ前は年間約20万人の日本人旅行者がトルコを訪れていたが、パンデミックによって3~4万人に減少しているという。同航空としては、日本からはトルコへの旅行者だけでなく、中東、アフリカ、欧州への乗り継ぎ需要も取り込んでいく考えだ。

また、ボラット会長は、2024年には日本・トルコ外交関係樹立100周年を迎え、様々なイベントが計画されていることから、「輸送機関として協力し、日本発だけでなくトルコからの日本へのアウトバウンドの送客にも貢献していく」と話すとともに、日本・トルコ間の旅行市場拡大に向けて、スターアライアンスメンバーのANAによるイスタンブール線復活にも期待を寄せた。

このほか、ボラット会長は日本の旅行市場について「日本人旅行者は文化や食に関心が高い」との認識を示したうえで、定番の観光地カッパドキアなどに加えて、発掘が進む世界最古の巨石遺跡「ギョベクリ・テペ」を紹介。「世界的発見」として、「約1万2000年前の人類の歴史と文化を日本に伝えていきたい」と話した。

発掘された遺跡のレプリカで「ギョベクリ・テペ」を説明するボラット会長

10ヵ年経営戦略、旅客数1.7億人に倍増へ

加えて、ボラット会長は2033年までの10ヵ年経営戦略を明らかにした。

保有機材を2023年の435機から800機以上に増やし、就航都市を現在の340都市から400都市に拡大。旅客数は現在の年間8000万人から1.7億人に増加させる。ボラット会長は「年平均7%の成長率で、2033年までに連結売上高500億ドル(約7兆円)以上を目指す」との目標を示した。この目標が達成されれば、同航空のトルコ経済への貢献額は1400億ドル(約19.6兆円)になるという。

直近2023年1~5月の総旅客数は前年同期比29%増の約3100万人。このうち国際線旅客数は同49%増の1160万人。イスタンブールの地理的特性から、全体の約60%が乗り継ぎ需要となっている。

※ドル円換算は1ドル140円でトラベルボイス編集部が算出

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