イタリアの主要都市は、深刻なタクシー不足に悩まされている。観光客の回復によって需要が急増している一方で、タクシー免許の発行数が長年抑えられてきたことに原因がある。
この状況を受けて、イタリア政府は、地方自治体に対して、既存の事業者にタクシー免許を増やすことを認めることで、タクシーサービスの改善に乗り出した。この措置が施行されれば、既存の免許保有者は、競合激化の場合の補償のほか、電気自動車やハイブリッド自動車への買い換え補助を受けることができるようになる。
イタリアでは、タクシー労働組合がこれまで強力なロビー活動を展開。競争を促す地方政府や中央政府に抵抗してきた。彼らは、ウーバーなどライドシェアについて、安全上のリスクがあると主張し、その事業範囲を制限することにも成功している。
一方、イタリアの独占禁止法当局のAGCMは、タクシー事業者には、待ち時間、クレジットカードによる支払い、タクシーメーターの適切な使用などで利用者の不利益に関わる問題があると指摘。ローマ、ミラノ、ナポリの事業者に有効な免許数、タクシーの台数などのデータを提出するように求めている。
ローマでは、ローマカトリック教徒が聖年を祝う2025年に観光客が急増すると予想されている。また、2030年の万博開催にも名乗りをあげている。ミラノでは、2026年に冬季オリンピックが開催される。