航空データOAG社は、このほど世界の主要空港を対象に、国際線からの乗り継ぎ便が最も充実しているハブ空港機能のランキング「メガハブ・インデックス2023」を発表した。OAGのフライトデータをもとに、世界の主要100空港について、6時間以内の乗り継ぎでアクセスできる都市数などを集計、ハブ空港としての利便性を比較した。調査対象期間は2022年9月から2023年8月まで。
世界1位は英国ロンドンのヒースロー空港で、前回の同調査(2019年)と同じだった。アジア地域の空港で最も順位が高かったのは、4位のクアラルンプール国際空港(マレーシア)。日本からは、東京・羽田空港が5位、福岡空港が31位となった。
OAGメガハブ空港のトップ10位は以下の通り。
- 1位:ヒースロー空港(英国)
- 2位:ジョン・F・ケネディ国際空港(米国)
- 3位:スキポール空港(オランダ)
- 4位:クアラルンプール国際空港(マレーシア)
- 5位:羽田空港(日本・東京)
- 6位:フランクフルト国際空港(ドイツ)
- 7位:イスタンブール新空港(トルコ)
- 8位:仁川国際空港(韓国)
- 9位:シャルル・ド・ゴール国際空港(フランス)
- 10位:シカゴ・オヘア空港(米国)
OAGによると、ヒースロー空港は、定期運航便の供給座席数では世界4位だが、国際線のコネクションでは世界トップという結果になった。同空港の発着路線は、ブリティッシュ・エアウェイズが全体の50%を占めている。
北米地域でのトップは、ニューヨークのジョン・F・ケネディ空港。2019年調査では18位だったが、同空港路線の3割以上を占めるアメリカン航空による路線拡大や、カンタス航空、ニュージーランド航空、エア・セネガルなどの新路線就航が奏功した。なお、同空港は、定期便の供給座席規模では世界トップ10の圏外。
同じく訪米のシカゴ・オヘア空港は、2019年の調査では3位だったが、今回は10位。利用客数が多く、「世界で最も忙しい空港」という米アトランタ国際空港は、メガハブ空港ランキングでは14位だった。
上位20空港を地域別に見ると、欧州・中東・アフリカが6つ、北米が6つ、アジア太平洋が7つとほぼ均等になった。OAGでは、アジア太平洋の旅行需要がまだ完全回復していない時期の調査だったにも関わらず、同地域が最多を占めたことは特筆すべきとしている。
LCC路線ではアジア太平洋の空港の存在感大きく
また、格安航空会社(LCC)の路線を対象としたメガハブ空港の上位10空港は以下の通り。
- 1位:クアラルンプール国際(マレーシア)
- 2位:仁川国際空港(韓国)
- 3位:ニノイ・アキノ国際空港(フィリピン)
- 4位:シンガポール・チャンギ空港(シンガポール)
- 5位:スカルノ・ハッタ国際空港(インドネシア)
- 6位:インディラ・ガンディー国際空港(インド)
- 7位:ドバイ国際空港(アラブ首長国連邦)
- 8位:ジョン・F・ケネディ国際空港(米国)
- 9位:バルセロナ₌エル・プラット空港(スペイン)
- 10位:サビハ・ギョクチェン国際空港(トルコ)
1位のクアラルンプール国際空港は、LCCの乗り継ぎ先が100都市以上。同空港発着路線の34%はエア・アジアとなっている。日本の空港では、福岡空港が13位にランク入りした。
LCCのメガハブ空港では、1~25位までのうち、アジア太平洋地区の空港が最多の13空港と全体の半分以上になり、「同地域におけるLCC利用の拡大が伺える」(OAG)。なかでもLCC路線の供給シェアが最も高いのは南アジア(63%)、次いで東南アジア(53%)という。