セレブリティ・クルーズは2023年9月30日の日本発着クルーズ再開にあわせ、横浜港で「セレブリティ・ミレニアム」(約9万トン/乗客定員2218人)の船内見学会と記念式典を開催した。セレブリティ・クルーズの日本発着クルーズは、2023年は計4本を運航。2024年は計18本に拡大し、国内外から3万人以上の参加を見込む。
船内見学会では、セレブリティ・クルーズ副社長兼マネージングダイレクター オーストラリア&アジア太平洋のティム・ジョーンズ氏が、日本発着クルーズを再開することに感謝と喜びを示したうえで、「3万超の人が我々のクルーズに乗船するために来訪し、地域を訪れることで、日本国内の物流や移動にも良い影響を与えられる」と、日本発着クルーズがもたらす経済効果も強調した。
セレブリティ・クルーズは、プレミアムクラスのクルーズラインとして主に中型・大型サイズの客船を運航しながら、小型船で運航するラグジュアリークラスのクルーズと同等以上の満足度を目指して設備や機能を設計し、サービスを提供するのが特徴。文化的・知的欲求の高い人をターゲットに、特に「食」「デスティネーション」「サービス」「デザイン」「ウェルビーング」を充実させており、乗客が快適に、自分らしいライフスタイルを体現できることを重視している。
このブランドコンセプトを象徴するのが、2018年12月に就航した客船「セレブリティ・エッジ」。世界的なデザイナーをはじめとする各部門の専門家でチームを結成し、従来のクルーズ業界のイメージを覆す快適性とデザイン性を追求した。これを、既存の保有客船にも反映すべく、2019年には全船改装計画を発表。日本発着クルーズで運航するセレブリティ・ミレニアムは、2019年に同改装を最初に実施した客船だ。
こうした特性から、同社の客層はシニア層の多いクルーズ業界の中で比較的若く、40~50代のエグゼクティブ層や、シニアでも一味違う上質な体験を求めるアクティブな客層が多い。日本人も最近の予約傾向では、30~40代のカップルや同年代の子連れファミリーが多く見受けられるという。
横浜港はコロナ前以上の活気、2つの過去最多も
記念式典には、横浜市から港湾局長の中野裕也氏が参加。4年ぶりとなる同客船の横浜寄港に喜びと謝辞を述べると同時に、コロナ禍後の横浜港の状況を共有した。
横浜港では、外国客船の日本寄港や日本発着クルーズが2023年3月頃から本格的に再開されており、ゴールデンウィーク初日の4月28日には、日本で初めて5隻の客船が同時寄港した。その後、客船の寄港が連日のように続き「街に外国人の観光客が増え、コロナ前の活気が戻ってきた」(中野氏)という。今年は横浜港に200回の寄港を予定しており、過去最多の188回だった2019年を上回る見込みだ。