民泊エアビー、日本独自の機能を初導入、グループ旅行や地方の予約が増加

エアビーアンドビー・ジャパン(Aibnb Japan)は、日本市場での新しいトレンドに合わせた新機能を導入した。日本に特化した機能を導入するのはこれが初めて。エアビーはグローバルで新機能を発表したばかりだが、今回、日本向けの機能を強化することで、日本人ゲストの増加を目指す。

まず、新たに「地名・名称から探す」機能を追加。人気の場所、観光名所、駅、空港など旅先の周辺の宿泊施設を用意に検索できるようにした。例えば、河口湖を訪れる場合、河口湖駅や観光案内所などの周辺にある宿泊施設を見つけることができる。

また、並べ替え機能も新たに強化した。ゲストは、評価の高いホスト、料金、距離の近い順などで宿泊施設を並び替えることが可能。距離については、宿泊先から特定の目的地まで、徒歩または車の距離を表示することができる。

さらに、「アメニティ・設備フィルター」も追加。このフィルターには、キッチン、プール、露天風呂、ジャグジーなど検索頻度の高い上位10項目が含まれている。エアビーでは、友人や家族などのグループ旅行が増加していることから、この機能の追加を決めた。

日本でグループ予約が倍増、バケーションレンタルの需要高まる

エアビーは、グローバルでは、高好評を得ている200万軒の宿泊先を集めた「ゲストチョイス」、レビューと評価の内容拡充、リスティングタプの強化、スマートロックとアカウントの連携などのアップグレードを11月に発表している。

発表会見で、エアビージャパン代表取締役の田邉泰之氏は「旅が少しずつ元に戻りつつあるなか、日本でもコロナ前とは違う旅のトレンドが出てきた」と話し、日本独自機能導入の背景を説明。「エアビーとして日本市場に力を入れている証拠」と日本人ゲストの更なる増加に自信を示した。

エアビーによると、2019年9月および2023年9月を基準とし、それぞれ過去12ヶ月の間の宿泊予約件数を比較したところ、国内予約件数は75%増加。また、グループ(4人以上)での旅行件数は110%増加したという。人気の旅先は、沖縄県石垣島や栃木県那須町などが上位にランクされ、山形県尾花沢市では初めて予約が入った。

田邊氏は「以前と比べて有名な観光地以外の場所が選ばれ、一棟貸しのバケーションレンタルで家族や友人と滞在を楽しむ傾向が強まっている」と指摘したうえで、日本では新しい旅のトレンドとして「精神的なストレスを解き放つ開放的な旅が好まれている」と強調した。

日本独自機能と新しいトレンドについて説明する田邉氏

日本でも著名人がホストに

合わせて、ファッションモデルの森星さんがエアビーのホストになり、現在改装を進めている築150年の古民家をヴィラとして再生し、一回限定の特別滞在を提供することも発表された。海外では著名人がホストを務める例はあるが、日本でいわゆるセレブリティホストとなるのは森さんが初めて。

自身もエアビーユーザーである森さんは、ホストになることについて、「自分がホストとして提供する空間は、その地域のイメージにも繋がるのではないかと感じています。ホストとエアビーを通して、一つの文化を知る機会もあると思うので、私もホストとして、日本の美しさや、地域の風土などを伝えていきたい」と話した。

伊豆や千葉県いすみ市のエアビーに滞在した体験を話す森さん。

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